コロナ感染者半数に後遺症 県がアンケート
和歌山県内の新型コロナウイルス感染者で、昨年9月以降に入院した人のうち、約半数に倦怠(けんたい)感や味覚障害などの後遺症があり、長い人では3カ月以上症状が続いていることが、県の調査で分かった。
県は昨年9月以降に入院し、ことし6月30日時点で退院後2週間以上経過した2238人を対象にアンケートを実施。回答者1407人中、倦怠感や嗅覚障害、味覚障害など何らかの症状があったのは約半数の772人で、そのうち、退院後も症状が1カ月以上続いている人は約半数の389人、3カ月以上続く人は125人(16%)、6カ月以上続く人も30人(4%)いたことが分かった。
男女別では、男性は346人(51%)、女性は426人(58%)と女性の方が高い割合で症状が出た。年代別の有症状者の割合は、20代から70代では50%以上で、特に30代から50代の働き盛りの世代では60%以上と高くなっている一方、10代では29%、10代未満の小児は12%と大人に比べ子どもは後遺症が少ない結果となった。
症状は男女ともに倦怠感が最も多く、次いで嗅覚障害、味覚障害と続いており、脱毛については女性が男性の約2倍だった。
退院後は後遺症の影響で仕事を休む人もおり、県では症状に対する周囲の理解も必要だと呼び掛けている。
一方、第1波から第5波の人口10万人当たりの死亡者数は全国が14・47人に対し、県では6・70人と低く推移した。
25日に県庁で会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は「早期受診や早期診断による早期発見、全例入院、疫学調査の徹底を今後も継続していくことが重要」と話した。