コロナ克服と新時代開拓 不安に寄り添い国民に安心を

コロナ禍において、特別なオリンピック・パラリンピックの開催国としての責任をしっかり果たし、歴史に残る1年となった2021年があと1カ月となりました。
9月に行われた自民党総裁選では、人材の宝庫たる自民党らしく、多様性に富んだ候補者が内政から外交まで幅広く白熱した議論を展開しました。「国民の皆さんに自らの信じる政策をお示しし、支持を訴えていく」「総裁選の中の切磋琢磨を通じて候補者自身もリーダーとしてさらに成長していく」。自民党の政治家と政策はこうやって磨かれていくということを国民の皆さまに堂々とお見せし、開かれた民主的な政党であることを世の中に強く示すことができたと確信しています。その結果、岸田新総裁が選出され、第100代内閣総理大臣に就任しました。
秋の臨時国会では、参議院本会議で岸田総理の所信表明演説に対し、自由民主党・国民の声を代表して約30分にわたり質問を行いました。
新型コロナ対応に関しては、和歌山県の対策を例に挙げています。和歌山は保健所や医療従事者、行政関係の方々のご尽力によって、無症状者も含む全ての感染者を入院させるという他に例のない対応の結果、大都市大阪の隣県という位置にありながら感染者数を比較的低く抑え、これまで一度も、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象となっていません。和歌山の取り組みを全国的に展開し、国民の命と安全を守る必要性を総理に進言しました。
また、感染者数が減少に転じる中、他国に遅れることなく経済社会活動を回復させるために、接種済証だけではなくマイナンバーカードを活用したスマホアプリによるワクチンパスポートの発行や、入国後の隔離期間の大胆な短縮、公平で迅速な支援を実現し、痛手を負った飲食や観光業といった対面型サービス産業の営業正常化も積極的に進めていかなければなりません。
そして、岸田総理が掲げる新しい資本主義のコンセプトは「成長と分配の好循環」であり、分配にやや軸足を置く姿勢を取られていることを、私は強く支持しています。大企業との下請取引の条件を改善し、中小・小規模事業者の経営基盤を強化することで、働く人への分配機能が強化され、「令和の所得倍増」が実現されます。しっかり働けば結婚や持家につながるだけの賃金がもらえる、今年よりも来年は賃金が上がっていく、このような安心感を国民に持ってもらうことが日本全体の成長の原動力になることは間違いありません。
同様に、医師不足、孤独・孤立、地域の消滅・崩壊といった不安には、支援の申請を待つのではなく行政から積極的に手を差し伸べ、現場で活動するNPOなどとの協働体制や、徹底した省庁の縦割り打破とスマホ等で支援を申し込める仕組みなど、不安を抱える方々に寄り添う体制の構築を早急に進めることが重要です。
11月19日、政府は「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を閣議決定しました。財政支出約55・7兆円、事業規模は約78・9兆円で、GDPの下支え・押し上げ効果は5・6%と見込まれています。この新たな経済対策は令和3年度の補正予算で編成します。必要とされている皆さまに速やかに支援が届くよう、引き続き、参議院をしっかりまとめ、補正予算を年内に成立させるよう全力を尽くしていきます。