クラスター3件認定 感染防止の「重要局面」

和歌山県は8~10日の3日間で、県内で10代から80代の74人が新型コロナウイルスに感染し、新たに県内92~94例目となるクラスター(感染者集団)3件を認定したと発表した。クラスターの認定は昨年10月1日以来、100日ぶり。オミクロン株の疑いがある陽性者は累計40人に達している。

74人のうち、36人はすでに感染が判明している人の接触者で、新規は38人。保健所管内別の内訳は和歌山市38人、海南1人、岩出10人、橋本2人、湯浅2人、田辺14人、新宮3人、県外4人。

92例目のクラスターは、和歌山市の開智高校男子バレーボール部の生徒10人。同部は東京都で行われた全日本バレーボール高校選手権大会に出場するため、3日から7日まで都内に滞在。大会には生徒22人、教員ら3人が参加していた。和歌山に戻ってから25人に抗原検査をしたところ、生徒1人の陽性が分かり、改めて寮生活をする10人のPCR検査で4人の感染が判明し、さらに寮生以外の生徒5人の感染も分かった。

93例目のクラスターは、紀伊田辺ライオンズクラブの新年例会。同クラブは5日に田辺市内の飲食店で会合後に飲食をしており、男性7人が陽性となった。参加者約60人の検査を順次進めており、感染者はさらに増える可能性がある。

94例目のクラスターは、和歌山市の県立和歌山北高校男子バレーボール部。生徒と教員、保護者計18人が4~8日に神奈川県内で合宿し、トレーニングと複数校との練習試合を行っていたところ、1人が高熱で救急搬送され、陽性となり、その後の検査で保護者1人を除く生徒15人、教員と保護者各1人の計17人の感染が判明した。うち14人は東京都が発表しており、県内の感染者数には含まれていない。

県内の感染者は累計5401人、入院患者は106人(うち重症1人)で、病床使用率は18・2%。入院者数が100人を超えるのは昨年9月21日以来、111日ぶりとなった。

また、オミクロン株が疑われる患者40人のうち25人がワクチンを2回接種済み、1人が酸素投与が必要な重症。ワクチンを接種していても感染の恐れはあり、軽症が多いとみられるものの、基礎疾患のある人などは重症化もありえる。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は「非常に重要な局面。感染の爆発を起こすと高齢者の感染が増え、重症者が増える。感染拡大防止に協力をお願いしたい」と呼び掛け、「特に県外に行った場合は検査を受け、軽い症状でも早く受診してもらいたい。屋内のスポーツは要注意という認識を持ってほしい」と話した。

感染拡大防止に協力を呼び掛ける野㞍技監

感染拡大防止に協力を呼び掛ける野㞍技監