275人コロナ感染 和歌山市疫学調査に遅れも

和歌山県が21日に発表した新型コロナウイルス新規感染者は過去最多を更新する275人で、3日続けて200人を上回った。特に和歌山市内は198人と突出して多く、市保健所による感染者の行動履歴や濃厚接触者の把握などの疫学調査が遅れ、治療や隔離の優先度の判断にも影響が出ている。

275人の保健所管内別内訳は、和歌山市198人、海南5人、岩出25人、橋本14人、湯浅13人、御坊7人、田辺13人となっている。

新たにクラスター(感染者集団)3件を認定。県内113例目は湯浅管内の高齢者サロンで、軽食を伴う活動に参加した5人が感染した。

114例目は田辺市立大塔中学校。生徒7人と教員1人の計8人が感染し、うち1人は、すでにクラスターに認定されている和歌山田辺ボーイズの活動にも参加していた。

115例目は和歌山市鳴神の宇都宮病院。職員5人と入院患者6人の計11人が陽性となっている。

発表済みのクラスターでは、アイスホッケー県選抜の遠征関係が1人増の7人、高齢者施設「なごみの郷あゆむ」関係が1人増の17人、高齢者施設「サニーホーム」関係が1人増の16人、向井病院関係が9人増の24人となった。

和歌山市は急激な感染者数の増加により、感染者個々の状況を把握する業務が追いついていない状況だという。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「(感染者への)ファーストタッチが遅れている。早くしていただくよう要請はしている」と述べ、入院やケアなどの優先的な対応の必要性を判断する情報が足りない現状を、早急に改善する必要があるとの認識を示した。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が152・4人。保健所管内別では、過去最多を更新したのが和歌山市240・3人、岩出162・3人、海南66・5人。この他、湯浅が137・2人、橋本が134・7人で依然として100人を超えている。

県内の感染者は累計7202人、入院者数は533人(うち重症6人)、病床使用率は84・2%、入院待機者は920人に上っている。

県内の爆発的な感染状況を説明する野㞍技監

県内の爆発的な感染状況を説明する野㞍技監