ネット犯罪の防止へ 講師の大学生が授業

和歌山県警サイバー犯罪対策課は16日、中学生を対象にした「サイバー犯罪被害等防止教室」をオンラインで実施。サイバー防犯ボランティアを委嘱する近畿大学生物理工学部(紀の川市西三谷)の学生2人が講師となり、田辺市立龍神中学校の生徒らにインターネット利用時の危険やトラブル事例を伝え、サイバー犯罪の被害者・加害者にならないための知識や意識付けを行った。

サイバー防犯ボランティアを講師とした教室は今回が初めて。昨年7月に委嘱式を行った際、学生らが志望理由に「教育活動」を挙げたことなどから、初の試みとなる同教室の開催に至ったという。

同日、県警本部で行われた学生ボランティアによるオンライン授業は、ウェブ会議システムを使ってライブ配信され、同校3年生の生徒ら約30人が参加した。

サイバー防犯ボランティアを務める同大2年生の小西哲也さん(20)と宮井望嘉(のどか)さん(20)が講師を務め、「情報モラル教室被害者にも加害者にもならないために」をテーマに、それぞれの体験を交えながらネットトラブル事例などを紹介。インターネットの安全利用の重要性を伝えた。

宮井さんは「SNSは簡単に載せられるので、人を傷つけていないかなどを考えてから載せるようにしてほしい」と呼び掛け、小西さんは無料で見られる漫画やアニメ、映画、音楽などの多くは違法アップロードされたものと指摘した上で、「正しいプラットホームで見てもらいたい」と話した。

同課係長の宮下嗣実(つぐみ)警部補は「中学生にとって先輩のような存在の大学生が自身の体験を交えて話してくれたことで、より身近に感じてもらえたはず」と話し、「インターネットの危険性をしっかりと理解した上で使い方のルールを決めて守ってもらいたい」と願いを込めた。

パソコンを通じて呼び掛ける(左から)小西さん、宮井さん、宮下警部補

パソコンを通じて呼び掛ける(左から)小西さん、宮井さん、宮下警部補