エース米田で守り勝つ センバツ出場市和歌山

 

エース米田で守り勝つ 市立和歌山高校

 

18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する第94回選抜高校野球大会に出場する市立和歌山。2年連続8回目のセンバツ出場となることしのチームは、エース右腕米田天翼(つばさ)投手(3年)を中心に守り勝つ野球で一戦必勝を目指す。

 

笑顔の松村主将㊧と米田投手

笑顔の松村主将㊧と米田投手

 

米田は、昨年秋の県大会と近畿大会の5試合に先発し、計41イニング中38イニングを投げ、被安打30、奪三振36、与四死球14、自責点8、防御率1・89に抑えた。

県大会は、初戦の桐蔭を3―0で完封。準決勝では和歌山商業に12―2と圧勝し、力の差を見せつけた。決勝では和歌山東に4―2の逆転勝ち。3試合とも2点以内に抑え、2年連続7回目の優勝に導いた。

ベスト8に進んだ近畿大会では、初戦で神戸学院大(兵庫)と対戦。先発した米田は9回を1人で投げ抜き、被安打7、四死球3、奪三振10と6回以降は打者12人に対して1人の走者も許さない力投を見せ、2―1で勝利した。準々決勝では「イケイケ打線」の天理(奈良)に1―5で敗れたが、米田は天理打線を相手に、9回9奪三振と力投した。

米田は、近畿大会で最速149㌔のストレートだけでは通用しないと自覚。

しかし、身長175㌢体重81㌔の米田の体では角度のついた剛速球を投げられないと判断。この冬は、伸びのあるストレートに改良するため、リリースの位置を低めに変えた。

「エースはチームを勝たせないといけない。自分が投げる試合は全イニング無失点が目標」と話し、旧チームの小園健太投手(DeNA)・松川虎生(こう)捕手(ロッテ)バッテリーを超えることで恩返ししたいと意気込む。

半田真一監督は米田について「昨年の悔しさを晴らす姿勢が見られ頼もしい」と期待を寄せる。

控え投手も充実している。左肘のけがから復帰したサウスポーの宮本勇(ゆう、新3年)は腕を強く振り、勢いのあるストレートを投げられるのが武器。長身から投げ下ろす右投げの淵本(3年)は、昨年の秋季県大会和歌山東戦で3イニング投げて被安打1、四死球2、奪三振5に抑え、追い込んでからの変化球に自信を見せている。

 

打線のつながりが鍵

 

打撃練習を行う選手たち

打撃練習を行う選手たち

 

投手力が充実する中で、つなぎの野球が課題といえる。昨年秋の県大会では平均得点6・3点を挙げているものの、近畿大会では、1・5点にとどまっている。ところが、県大会と近畿大会を合わせて5試合は、3割の打率を超える打者が5人もいる。扇の要で主将を務める松村祥吾捕手(3年)も打率3割台を記録した。昨年秋の県大会準決勝の和歌山商戦では1番打者として出場。6打席中5回出塁し、「切り込み隊長」として役目を果たした。

半田監督は課題の克服について、「ゴロならばギャンブルでも次の塁、もしくはホームへ突入させる」と明かした。

昨年の秋から春にかけて、センバツに向けて投打で課題に取り組み、チームの懸念を自信に変えてきた。これまで積み上げた成長ぶりを、佐々木麟太郎選手(2年)を擁する初戦の花巻東戦で見せてほしい。