日中友好スタンプラリー 国交正常化50周年
日中国交正常化からことしで50周年を迎えるのを記念する「日中友好スタンプラリーin関西」が8日、和歌山県内を皮切りに始まった。関西2府4県にある中国ゆかりの地を巡り、両国の交流の歴史を知り、相互理解を深めることが目的。同日、和歌山市の紀三井寺で開幕式が行われ、県と友好提携している山東省の会場をオンラインで結び、記念事業のスタートを喜び合った。
日中国交正常化は1972年9月29日、当時の田中角栄首相と中国の周恩来首相が北京で日中共同声明に調印し、実現。今回のスタンプラリーは駐大阪中国総領事館が主催し、県日中友好協会、県、山東省外事弁公室が協力している。
スタンプがある県内の友好記念地は、紀三井寺と高野山金剛峯寺(高野町)、県立博物館(和歌山市)の孔子像の3カ所。
紀三井寺は、唐の時代に中国から日本に渡った為光上人が770年に開き、境内には両国友好に尽力した廖承志中日友好協会初代会長が県日中友好協会に贈った書「中日友好千年萬年」の記念碑がある。高野山は、遣唐使で中国に渡り、真言密教を日本に持ち帰って広めた空海が開いた霊場。同館の孔子像は、1984年に県と友好提携を結んだ山東省から、95年に10周年記念として寄贈された。
友好記念地を1カ所でも訪れると、参加賞として中国の伝統的な装丁の記念手帳がもらえ、全ての記念地でスタンプを集めると、抽選で中国への無料訪問の機会が当たる。和歌山以外の府県の記念地は順次公開し、スタンプラリーは9月末まで行われる。
開幕式には、薛剣駐大阪中国総領事、森礼子県議会議長、中拓哉県日中友好協会会長、紀三井寺の前田泰道貫主らが出席。山東省政府からは、王随蓮人民代表大会常務委員会副主任、蔡先金外事弁公室主任らがオンラインで参加した。
薛総領事は「新時代の中日友好が長く安定するよう、より多くの若者に参加してもらい、友好を語り継いでもらわなければならない」と述べ、中会長は「日中両国の平和友好関係の発展を期して、スタンプラリーの開催が多くの人の希望のともしびになることを願っている」とあいさつした。
県と山東省の文化や観光名所の紹介動画なども上映された後、薛総領事、森議長、中会長らが記念スタンプを押し、ラリーが開幕した。