関西万博へ機運醸成 シンポに1300人
開幕まで3年を切った「2025年大阪・関西万博」に向けて機運を高めようと、和歌山県と県商工会議所連合会は4月29日、和歌山市の県民文化会館でシンポジウムを開き、県内の自治体や経済界の代表ら約1300人が参加。自民党2025年大阪・関西万博推進本部長を務める二階俊博衆議院議員の基調講演や、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長の現況報告があり、県の取り組みも紹介した。
シンポジウムは、関西全体で万博を盛り上げ、成功に向けて県民の理解を深める機会にしようと企画。オンラインでも同時配信された。
大阪・関西万博は25年4月13日から10月13日にかけて開催予定で、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)を会場に、国内外から約2800万人の来場者を見込んでいる。
あいさつで、仁坂吉伸知事は「万博をゲートウェイ(入り口)に、和歌山へ来てもらいたい。行政はしっかりと仕事をするが、皆さんもいかに自分たちの将来の繁栄の糧(かて)にするか、主体的に考えていただくのが一番の機運醸成」と話した。
県商工会議所連合会の勝本僖一会長は「コロナで閉塞した社会から脱却し、大きく飛躍できる千載一遇のチャンス。県全体の機運の醸成や誘客など、新しい和歌山の創造に向けてまい進していきたい」と決意を述べた。
基調講演で二階衆議院議員は、開催までには県民挙げての綿密な準備が不可欠だとし、世界じゅうの観光客を、どう県内へ誘客するかが最大の課題だとした。
成功のためには和歌山の周遊ルートを設定した上での大使館や旅行・航空会社への働き掛け、交通インフラの整備、万博を契機とした子どもたちの国際交流推進が重要であるとし「郷土の発展のために奮起し、行動しようではありませんか」と呼び掛けた。
石毛事務総長は、大阪・関西万博の意義や可能性、民間パビリオンの出展予定など進捗(しんちょく)状況を説明し、ことし3月末に閉幕したドバイ万博の映像も紹介。商工観光労働部の寺本雅哉部長が、県内の自然や文化、観光を疑似体験できる臨場感あるバーチャルリアリティの映像展示出展の構想を明らかにした。
また、県商工会議所連合会と県商工会連合会、県が中心となり、県内に推進協議会を設置することも発表した。