県景況3カ月ぶり悪化 帝国データ4月動向
帝国データバンクによる4月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が40・8(前月比0・4㌽増)と2カ月連続で改善した一方、和歌山県内は3カ月ぶりに悪化の39・6(同0・2㌽減)となった。
全国のDIは、10業界のうち「サービス」「運輸・倉庫」など7業界が改善し、「金融」「建設」「その他」の3業界は悪化した。
業界別のDIは、「サービス」が44・5(前月比1・4㌽増)で2カ月連続の改善。「製造」が41・2(同0・3㌽増)、「運輸・倉庫」が36・6(同1・2㌽増)でいずれも4カ月ぶりに改善し、「建設」は41・8(同1・0㌽減)で2カ月ぶりの悪化だった。
県内DIの全国順位は前月の24位から29位に後退し、近畿2府4県では3カ月ぶりに最下位。近畿のDI40・8、全国のDI40・8との差は広がった。
規模別では、大企業が38・9(前月比2・8㌽減)、中小企業が39・6(同0・1㌽減)でともに減少。業界別では、「製造」「卸売」が改善、「農・林・水産」「不動産」「小売」が横ばい、「建設」「運輸・倉庫」「サービス」が悪化し、各業界とも一進一退の状況が続いている。
先行きの見通しは、3カ月後が40・3(前月41・3)、6カ月後が42・9(同43・8)、1年後は43・9(同47・3)でいずれも悪化し、特に1年後の悪化幅が大きい。
同社によると、原油などの各種価格の高騰、半導体などの供給面での制約が景況感に大きく影響。ウクライナ情勢に改善の動きはみられず、コロナ禍が続く中、中国の都市封鎖などにより、さらなる資材の供給制約が強まる懸念もある。「しばらく一進一退となっていた県内景況は、下振れリスクが高まりつつある」と分析している。
調査は4月15~30日にインターネットで行い、対象2万4854社(県内193社)のうち1万1267社(同77社)が応じ、回答率は45・3%(同39・9%)だった。