服のチカラ届けよう 貴志中学校が活動参加

和歌山市立貴志中学校(同市梅原、中村清司校長)生徒会の厚生委員が中心となり、着なくなった子ども服を集めて難民に届ける、衣料品店「ユニクロ」の「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加する。

ユニクロを展開する㈱ファーストリテイリングが2013年、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と共にスタートさせた、小中高校生が対象の参加型学習プログラム。社員による出張授業を受けた子どもたちが主体となって校内や地域で着なくなった子ども服を集め、必要な人の元へ届けられる。

同校で26日、出前授業が開かれ、夏休みにもかかわらず、希望した約45人の生徒らをはじめ、保護者や教職員が参加。同市栄谷のユニクロ紀の川店で働く社員の赤井覚士(さとし)さんと岡田雅己さんが特別講師を務め、「命を守る」「自分の個性をあらわす」といった〝服のチカラ〟を伝えた。

また、世界には日本の人口の約65%を占める8240万人ほどの「難民」がいて、その半数が18歳未満の子どもであることを紹介。SDGs(持続可能な開発目標)にふれながら、〝服のチカラ〟を必要な人に届けて再利用するといった同プロジェクトの意義や回収ルールについて説明した。

最後は、同プロジェクトで実際に服が届けられるところまでの動画を上映。取り組みについてよりイメージしやすくなった生徒らに対し、赤井さんは「このプロジェクトを通じて、自分たちもSDGsや地域に貢献できるということに気付いてもらえれば」と願いを込めた。

同校2年で厚生委員の伊藤優美さん(13)は「当たり前のようにできていることが当たり前にできないことが世界にはいっぱいあることに気付いた」と話し、「使わなくなった服が必要な人に届くのがすごくすてきだった」と笑顔で話した。

同校では9~10月ごろ、厚生委員が中心となってあいさつ運動時に服を集めるといい、山本陽菜さん(13)は「活動を知ってもらうのはもちろん、届ける相手のことを知ってもらい、届けたいという気持ちを持ってもらえるように活動したい」と意気込んだ。

回収した服は11月末までに同社指定の倉庫へ送る。倉庫で選別や梱包をされ、ことしはアフガニスタンとウガンダの難民キャンプなどへ届けられるという。

 

積極的に考え、意見を出し合う生徒たち