地域活性へ 県がメルカリ、ソウゾウと協定
フリーマーケットアプリ「メルカリ」を企画・開発・運営する㈱メルカリと、グループ会社の㈱ソウゾウ、和歌山県は1日、包括連携協定を締結した。おのおのの資源やネットワークを有効に活用し、連携を図ることで一層の地域活性化や県民サービス向上につなげる。
メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」や、その関連サービスを提供。ソウゾウは小規模事業者などでも簡単にネットショップを開設できる「メルカリShops」を運営している。両者が有するICT技術などを活用し、県と連携することで、地域が抱える社会課題の解決につなげる。メルカリグループが都道府県と協定を結ぶのは、神奈川に続いて全国2例目。
連携するのは、EC(電子商取引)を活用した地域の活性化▽循環型社会の推進▽災害時の支援▽転職なき移住、ワーケーションの推進▽その他地域の活性化――に関することの5項目。
このうち、ECを活用した地域活性化では、県内事業者向けセミナーの開催や、メルカリShopsへの出店・出品を通じた課題解決型学習を想定している。その第一弾として、7月には南部高校と紀北農芸高校の生徒が生産したジャムなどの加工品を、和歌山商業高校の生徒がメルカリShopsで販売。また、県アンテナショップのわかやま紀州館は1日から、メルカリShopsで梅干しやしょうゆなど県の特選15商品の販売を始めた。
また、メルカリは2020年から原則在宅勤務を導入し、社員がライフスタイルに応じた多様な働き方を選択できる環境づくりをしており、移住セミナーやワーケーション実施で県と連携する。その他、災害時はメルカリ寄付を活用した義援金の受け入れなどを予定している。
締結式は県庁であり、メルカリの小泉文明取締役会長、ソウゾウの石川佑樹代表取締役CEO、仁坂吉伸知事が協定書に署名した。小泉会長は「幅広い協定項目があるが、これから長い付き合いになるので一つずつ確実に実施していきたい」と話した。