感染者1550人 県内初ケンタウロス株

和歌山県が17日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は1550人(うち見なし陽性29人)で、前週の同じ水曜に比べ172人減少した。疑い例が見つかっていたオミクロン株の変異系統「BA・2・75」(通称ケンタウロス)がゲノム解析で確定し、県内初の感染例と確認された。新規クラスター(感染者集団)の認定は2件だった。

新規感染者の保健所管内別内訳は、和歌山市379人、海南95人、岩出306人、橋本186人、湯浅178人、御坊77人、田辺190人、新宮139人。岩出と新宮は過去最多を更新した。

ケンタウロス株の感染が確認されたのは50代女性で、海外渡航歴はなく、軽症で推移し、すでに健康観察期間を終えている。新たに疑い例1件が和歌山市衛生研究所の抽出調査で見つかり、県がゲノム解析による確定検査を行う。

ケンタウロス株は従来株より感染力が強く、免疫をすり抜けやすいとされる。県福祉保健部の野㞍孝子技監は、県内でも徐々に感染例が増えていると推測しており、「次の感染の山が来るときには主流になる可能性がある」と話した。

新規クラスターの場所と感染者数は、591例目が田辺管内の病院で入院患者9人と職員4人、592例目が岩出管内の障害者支援施設で入所者21人と職員18人だった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比18・6人減の1196・8人となり、4日連続の減少。保健所管内別では御坊が過去最多を更新した。

県内の感染者は累計9万2528人。入院者数は371人、重症者は県基準で63人、国基準の該当者は3人、肺炎患者は106人。病床使用率は68・7%。自宅やホテルでの療養者は1万785人。

この日の新規感染者の中には、食欲低下や発熱などの体調不良が1週間続いていながら受診せず、救急搬送で重篤な肺炎が判明した事例があり、野㞍技監は早期受診を改めて強く呼び掛けた。