地方の「滞留」促進を 尾花市長が国に要望

和歌山市の尾花正啓市長は30、31日、東京へ出張し、地方創生に向け、地方都市における「滞留」を促進するために必要となる制度の充実や、テレワークへのさらなる財源的措置などを国に求める要望活動を、関係閣僚や与党幹部、県関係国会議員などに行っている。

市によると、地方創生の取り組み推進により、2016~20年度は市内の商業地の地価が継続して上昇し、人口動態の社会増減は19年に45年ぶりに転入超過を達成。しかし、コロナ禍の影響や世界的な需給の変化などにより、特に大手企業において、事業再編を目的とした地方拠点の集約や閉鎖が相次ぎ、市内でも雇用者数の減少が生じている。

今回の要望では、工場・製造拠点などの生産部門の集約や閉鎖による人員削減は経営上やむを得ない一方、経理・総務などの管理部門は、テレワークの活用などにより、地方に拠点を移したり、残したりすることは十分可能だと指摘。地方への移住、交流に加え、地方都市での「滞留」を促進するための新たな制度、既存の支援策の充実、テレワーク推進の財源措置などを検討するよう求めている。

尾花市長はまた、会長を務める県市長会の要望も実施。原油価格や物価の高騰対策として、予備費の活用による地方創生臨時交付金の交付などを緊急に要望している。