紀三井寺にピンクリボン 乳がん検診啓発
乳がんの正しい知識の普及や検診の早期受診を呼び掛ける10月の「ピンクリボン月間」に合わせて16日まで、和歌山市の紀三井寺仏殿の白壁に巨大なピンクリボンが設置されている。
民間のボランティア団体「ピンクリボン運動in和歌山」(上野喜世子代表)の活動の一環。
同団体は2006年、乳がんの罹患(りかん)者や乳がん患者の家族が中心となって立ち上げた会。発足以降、仏殿をピンクにライトアップしていたが、一夜だけでなく、より長い期間たくさんの人に啓発できればと考え、4年前から壁面に設置するピンクリボンマークを始めた。
手作りのピンクリボンマークは、縦4㍍、横2㍍。紀三井寺は、海抜約45㍍の高台に位置する。向かいの県立医科大学や周辺の道路からも白壁に設置したピンクリボンマークがよく見え、広く啓発できることが期待できるという。
厚生労働省が3年ごとに行う国民生活基礎調査によると、2019年の県の乳がん検診受診率は40・6%。全国平均47・4%を6・8㌽下回り、順位は全国ワースト4位。また県が69歳以下の国保被保険者を対象にした調査では、19年度の乳がん検診受診率は22・0%だったのに対し、20年度は19・3%と2・7㌽低下。コロナ禍でのがん検診の受診控えも懸念される。
同団体の上野代表(59)は「乳がんは早期発見、早期治療ができ、治る確率が高いがん。コロナ禍で受診を控える人もいるが、40歳以上になれば毎年検診に行ってほしい」と呼び掛け、「紀三井寺のピンクリボンマークを見て、検診に行かなければと思ってもらえるきっかけになれば」と話している。