企業支援で連携 雇用安定セと社労士組合

公益財団法人産業雇用安定センター和歌山事務所と県社会保険労務士協同組合は18日、県内企業の支援事業を連携、協力して実施する「共同宣言」を発表した。コロナ禍や円安、物価の高騰など人材不足や経営環境のリスクに直面する企業に対し、再就職や出向の支援を行う同センター和歌山事務所と企業の実業を把握している同協同組合が相互連携することで、労働者の福祉の向上、持続的な企業の地域経済の発展を図る。

同協同組合によると、県内の雇用保険適用事業所は約1万8000社、そのうち同センター和歌山事務所に登録されているのは約2000社余り。和歌山は中小零細企業が多く、訪問できる企業数も限られていた。

今後、地域事業者に精通する社会保険労務士が情報提供を行い、同センター和歌山事務所が人材を送り出す企業と受け入れる企業との間に立って、人材の橋渡し(マッチング)などをすることで、2者が目指す「雇用を守り、失業者を出さない」円滑な労働移動を支援することが期待できるという。

同協同組合は、県社会保険労務士会に登録している開業社会保険労務士の約80人で構成されており、今後、同センター和歌山事務所の利用促進を図る他、2者間では定期的な意見交換や講座の共催などを行う予定。

同日、和歌山市北出島の県社会保険労務士協同組合の事務所で、同センター和歌山事務所の中島一裕所長と同協同組合の清水義隆代表理事が共同宣言書に署名。清水代表理事が「力を合わせて、地域の活性化などに取り組んでいきたい」と、宣言書を読み上げた。

清水代表理事は「今後は私たち両者の連携、協力を基本にし、他の関係団体などにも輪を広げていく起爆剤になれば」と期待し、中島所長は「これがスタート。今後、綿密に連携しながら前向きに進んでいきたい」と話していた。

両者は11月1日、15日、29日の3日間、同協同組合が主催し、同センターが共催するオンラインセミナーを開く。

共同宣言書を手にする中島所長(中央右)と清水代表理事(同左)

共同宣言書を手にする中島所長(中央右)と清水代表理事(同左)