県内は36人が受章 各界の功労者に秋の叙勲

各界の功労者に贈られる2022年秋の叙勲の受章者が3日に発令され、和歌山県関係は56~86歳の36人(うち女性4人)が受章する。受章者の内訳は、旭日双光章11人、瑞宝小綬章4人、瑞宝双光章8人、瑞宝単光章13人。新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、拝謁は行われず、各省庁での伝達式は検討中で、県からの上申者の一部は県庁で伝達を行う。

今回を含めて県内の受章者総数は4974人(うち女性379人)となった。晴れの受章者は次の皆さん。

【旭日双光章】朝本紀夫(80)すさみ町商工会会長、同町周参見▽東康夫(73)県建具事業協同組合理事長、和歌山市元寺町▽坂本康隆(78)元紀の川市議、同市名手市場▽竹中肖之(70)元大塔村議、田辺市鮎川▽長井保夫(73)県商工会連合会理事、上富田町朝来▽東根清一(77)県理容生活衛生同業組合理事長、和歌山市広瀬通丁▽藤本良昭(79)元印南町議、同町古井▽細田知義(70)元県高圧ガス協議会理事長、和歌山市西紺屋町▽水本博章(74)元田辺市医師会会長、同市下万呂▽山田貢司(70)元県歯科医師会常務理事、和歌山市内原▽山本忠男(79)元橋本市代表監査委員、同市東家

【瑞宝小綬章】大谷雅昭(78)元福岡少年院長、美浜町三尾中田▽原正見(76)元県警本部刑事部長、紀の川市古和田▽溝口幸美(79)和歌山工業高等専門学校名誉教授、日高川町小熊▽向井弘治(77)元公立高校長、橋本市隅田町垂井

【瑞宝双光章】有本宗生(74)元公立小学校長、和歌山市納定▽大嶋宏仁(75)元大阪南郵便局長、和歌山市中之島▽田中二郎(86)元田辺市助役、同市鮎川▽仲垣内寛(75)元公立小学校長、海南市阪井▽西芳男(74)元県企業局長、和歌山市神前▽藤井清(72)元調停委員、和歌山市西浜▽森岡一郎(78)元公立中学校長、紀の川市西野山▽山口範之(70)保護司、新宮市大橋通

【瑞宝単光章】秋本幸儀(60)元関西電力㈱海南発電所保修課係長、海南市下津町丁▽一楽英治(64)元大阪瓦斯㈱南部導管部設備技術チーム設備業務グループリーダー、岩出市岡田▽奥村公章(66)元法務教官、和歌山市下三毛▽柏木久生(73)元白浜町消防団分団長、同町富田▽叶谷威(84)元警察庁技官、和歌山市弘西▽川﨑正之(74)元㈱コミューチュア和歌山支店新宮営業所長田辺営業所長兼務、田辺市中芳養▽中谷功次(73)元紀美野町消防団副分団長、同町樋下▽西泰海(73)元日高川町消防団団長、同町入野▽長谷ノリ子(64)乳児院「和歌山乳児院」幼児部主任、和歌山市松島▽早瀬金宏(64)第28和丸船長、新宮市三輪崎▽藤本有実子(56)ほしや子ども園園長、岩出市紀泉台▽松本彌生子(76)民生・児童委員、和歌山市出島▽籔本たま子(71)元特別養護老人ホーム「髙陽園」介護職員チーフ、かつらぎ町高田

 


瑞単 元関西電力㈱海南発電所保修課係長
秋本幸儀さん(60)
海南市下津町丁

 

安全・安定供給を使命に

和歌山県海南市下津町(旧海草郡下津町)に生まれ、県立和歌山工業高校電気科を卒業後、関西電力㈱に入社。1981年に火力発電を行う海南発電所に配属され、86年からは保修課計装係、2010年から同課係長として、計測装置のメンテナンスや修理などに携わった。

常に「電気の安全安定供給」を胸に、仲間と共に目の前の課題を克服するため精いっぱいにやってきたと振り返る。

休日や夜間に不具合が起これば、24時間365日関係なく、発電所に駆け付け修理をし、安定した電気を送り出してきた。いわば縁の下の力持ち。夜中に呼び出されても、「お客さまに電気を供給する」という使命感があったので苦労と思ったことはなかったという。「目標に向かって勉強したことは自分の力になった。本当にいい経験を積ませてもらった」と笑顔。「自分ができる範囲は限られている。ほんのかけらしか携わっていない。足らないところを仲間と助け合い、やってこられた」と仕事仲間に感謝する。

現在は和歌山共同火力㈱設備管理室専任室長を務め、「『仕事は人』。この経験を生かし、自分の持っている全てを現役の人たちに伝え、力になりたい」と、後進の育成に取り組みたいと話す。理論だけでなく技術や感覚、こつを伝えていきたいと意気込む。