起業家精神を学ぼう EYが和商で初の授業
日本四大監査法人の一つで、世界150以上の国と地域で会計監査、税務、コンサルティングなどを行うEY(本社=東京都)が15日、県立和歌山商業高校(和歌山市砂山南)で「アントレプレナーシップ・ワークショップ」を開催。3年生の生徒ら10人が参加し、アントレプレナーシップ(起業家精神)について実践的に学んだ。
EYの社会貢献プログラム「EY Ripples」の一環。同社はこれまでも同プログラムの一環として、主に東京の小中高生を対象に金融講座などを開いてきたが、今回のアントレプレナーシップのワークショップは国内初。
同校の中村憲司校長が10年ほど前、中東・オマーンの日本人学校で校長を務めていた時に生徒だった依藤インティサーさんが同社のコンサルタントを担当している縁から、同校で初の開催が決まった。
この日、同校の3年生を対象にした選択授業「ビジネス実践」の中でワークショップが開かれ、依藤さんを含む同社の社員3人が登壇。実際に19歳の若さで起業したオーストラリアのダニエル・フリンをはじめ、日本での起業事例を紹介し、アントレプレナーシップへの理解を深めた。
事例を通して「問題を特定し、理解する」「強みを生かして機会を見極める」「検証と調整」「ビジネス・ニーズを特定する」といった四つの実用的ステップを学んだ生徒らは、3班に分かれてグループワーク。
身の周りの課題を探し、解決するための方法からビジネスの提案・計画までを話し合い、発表した。中には、コロナ禍でリモートでも人とつながれるなど便利になった半面、直接人と話す機会が減り、コミュニケーション能力の低下を問題とした班もあり、ビジネスとして「相席を強制する店」の経営を提案した。
依藤さんは「いろんなアングルから新鮮なアイデアが出て、とても楽しかった」と笑顔。「起業をする、しないにかかわらず、周りの問題を意識し、より良い社会にできるよう貢献していきましょう」と皆に呼び掛けた。
金谷静二郎さん(18)は「将来は起業したいと考えているので、4ステップなど、アントレプレナーシップについて知ることができて良かった」と話した。