道を踏み外さぬように 薬物乱用防止教室
薬物に関する正しい認識を持ってもらおうと、和歌山県の海南市立下津第二中学(同市下津町下)で11月30日、県主催の「わかやまNO!DRUG!フェスティバル」が開かれ、生徒たちは薬物乱用の危険性について学んだ。
県薬物乱用防止指導員協議会、県薬物乱用対策推進本部、同中学が共催。青少年による薬物乱用が増加していることを受け、1997年から毎年県内の中学約10校で同フェスティバルを実施している。
県によると、大麻に関する検挙人数は5年連続過去最多を更新しており、10、20代が7割を占め、インターネットやSNS、知人から入手して使い始める人がほとんどだという。誤った情報も多いため、正しい知識を持ち、断る勇気を持ってほしいと呼び掛けている。
この日は1、2年生約90人と保護者らが参加した。自身も薬物依存を克服し、一般社団法人和歌山ダルクの代表理事を務める池谷太輔さんが「なぜ薬物が必要になったのか」をテーマに講演。池谷さんは、人生は選択の連続だといい、「踏み外しそうな道を選ばないことが大切。心にたまった問題を健康的に解決すれば、そこ(薬物)にはいかない。信用できる大人や友人はいる。感情を言葉にして話してほしい」と伝えた。
2年の奥野実花さん(13)は、「保健の授業で習ったのと違い、講演の内容はリアルで現実味があり、どしっときた。薬物を使ってしまう人生にならないよう、日常生活での選択や決断が大事だと思った。日頃から親や友人など身近な人への感謝をはっきり言っていきたい」と話した。
この他、海南保健所衛生環境課職員による「薬物乱用防止○×クイズ」、「生徒等による断り方実演」もあった。