自伐型林業テーマに 紀美野町でフォーラム

和歌山県の紀美野町は、豊かな森林資源を持続的に活用し、環境保全や災害に強い森づくりを推進しようと、4日に同町文化センターで「自伐型林業」をテーマにしたフォーラムを開いた。

自然型林業は、山主や地域住民が自ら山に入り、木を切り出して販売する自立・自営の林業。県内外の林業関係者や山の持ち主ら約150人が参加し、自伐型林業の可能性を学んだ。

NPO法人自伐型林業推進協会代表理事の中嶋健造さんの基調講演や鳥取、高知県での自伐型林業の活動紹介、パネルディスカッションなどが行われた。

中嶋さんは「小さな林業の大きな可能性~地方創生と土砂災害防止のカギ『自伐型林業』」をテーマに登壇し、標準伐期50年での皆伐、再造林型における現在の日本林業の問題点を話した。

過間伐や3㍍以上の規模の大きな作業道の設置、斜面の切り土や盛り土など大規模林業が、土砂災害が発生する人為的要因に関係していると説明し、伐間幅3㍍以下で2~2・5㍍の小規模な作業道が望ましいと提案した。

鳥取県智頭町の㈱皐月屋代表で、智頭ノ森ノ学ビ舎会長を務める大谷訓大さんと、高知県佐川町の高知地域林業ネットワーク代表の滝川景伍さんがそれぞれ自伐型林業の活動を話した。

2人は、自伐型林業は山に依存しない「半林半X(エックス)」を掲げ、副業と併用し林業を生業とするスタイルを薦めると話した。

参加者から、「安全面は自伐型では防げるのか」、「間伐の行われていない山でも自伐型林業はできるのか」などの質問があり、「無理はせずノルマのない実施が必要」などとトークセッションが行われ、中嶋さんは「豊かな森を一緒につくっていきましょう」と話した。

トークセッションも行われた

トークセッションも行われた