和歌山のブランディングへ 県が基盤づくり

和歌山県は12日、県内外で活躍している幅広い分野の有識者らが参加する「和歌山未来創造プラットフォーム」の発足を発表した。県政の重要事項などについて助言する「アドバイザリーボード」と、テーマごとに具体的な取り組みを検討する「ワーキングチーム」で構成する。岸本周平知事は、2025年の大阪・関西万博に設置する「和歌山館」などを視野に、「和歌山って何だろうかというブランディングをまず、プラットフォームをベースにつくっていきたい」と述べた。

同プラットフォームは、岸本知事が知事選の公約に掲げていた取り組み。

アドバイザリーボードは、バイオリニストの澤和樹さん(和歌山市出身)、東京大学先端科学技術研究センターシニアリサーチフェローの神﨑亮平さん(高野口町出身)ら県出身者をはじめ、デザイナーのコシノジュンコさん、楽天グループ会長の三木谷浩史さんら10人で構成。一堂に会して会議を開くなどのスタイルではなく、岸本知事がメンバーから個別にアドバイスを受ける形での運用が主になる見通し。

ワーキングチームは、観光、DX(デジタルトランスフォーメーション)、地方創生、ワーケーション、国際化、文化・芸術の6テーマ別に設置。県内外で活躍する経営者や文化人らをチームリーダーとし、チームのメンバー構成なども含めて裁量に委ね、県職員と共に具体的な取り組みを検討する。

和歌山のブランディングについて岸本知事は、対外的な情報発信のポスターなどがバラバラであり、「和」の文字のロゴが統一されていないことなどを例に問題視。和歌山の豊かな自然や歴史、文化などについて、県民が誇りを持てるブランディングが重要との考えを示した。

アドバイザリーボードのメンバー、ワーキングチームリーダーは次の皆さん。

【アドバイザリーボード】牛窪恵(世代・トレンド評論家)▽大﨑洋(吉本興業ホールディングス会長)▽神﨑亮平▽コシノジュンコ▽澤和樹▽竹内純子(国際環境経済研究所理事)▽竹中ナミ(社会福祉法人プロップ・ステーション理事長)▽新浪剛史(サントリーホールディングス社長)▽三木谷浩史▽山下泰裕(日本オリンピック委員会会長)

【チームリーダー】観光=坂之上洋子(経営ストラテジスト)▽DX=天野宏(メルカリ経営戦略室政策企画参事)▽地方創生=鳴海禎造(glafit社長)▽ワーケーション=島田由香(YeeY共同創業者)▽国際化=山本典正(平和酒造社長)▽文化・芸術=吉本英樹(東京大学先端科学技術研究センター特任准教授)

 

和歌山未来創造プラットフォームの発足を発表する岸本知事