薬物乱用防止 県警の啓発に高校生ら参加

和歌山県警による薬物乱用防止キャンペーンが5月31日、和歌山市のJR和歌山駅西口で行われ、和歌山市内の3高校(県立向陽、近畿大学付属、和歌山信愛)の生徒計29人が、少年補導員や市立少年センター職員、県薬務課職員らと協力して啓発活動に参加した。

同キャンペーンは2004年から毎年、警察庁の薬物乱用防止広報強化期間(6~7月)に合わせて実施。コロナ禍で4年ぶりの今回は約70人が参加した。

生徒らは黄色の帽子をかぶり、たすきをかけて「薬物は闇への扉開く鍵」「薬物はあなたの人生喰いつぶす」などと記したプラカードを手に、駅の利用者らに啓発チラシやポケットティッシュを配布。高校生らしい元気な声で薬物に手を出さないよう呼びかけた。

向陽高校からは野球部の3年生12人が参加。県警のマスコットキャラクター「きしゅう君」と共に啓発活動をしていた、同部主将の西川和希さん(17)は「薬物には依存性があるってよく言われるので、今後周りに誘われることがあったとしても絶対にのらないようにしたい」と話した。

近畿大学付属和歌山高校1年の関本柚優(ゆずゆ)さん(14)は「薬物はやったらダメって当たり前やからこそ、これを機会に再確認して、薬物を使う人がなくなれば」と願っていた。

県警によると、県内で昨年中に薬物関連で検挙された20歳未満の少年は22人。少年の薬物事犯検挙数は年々増加傾向にあるとし、特に大麻の所持による検挙は2018年、19年は3件だったのに対し、20年は11件、21年は22件、22年は19件と急増。ことしは4月末現在ですでに8件の検挙があったという。

県警少年課の村上一徳次席は「大麻は体に害が無いっていうのは間違いなので、絶対に手を染めないようにしてほしい」とした上で、今回参加した生徒らに対して「若い世代を中心に薬物乱用防止を広げていってほしい」と期待を込めた。

薬物乱用防止を呼びかける生徒たち

薬物乱用防止を呼びかける生徒たち