労災の半数がコロナ感染 22年県内まとめ
和歌山労働局がまとめた2022年の県内労働災害発生状況は、休業4日以上の死傷者数が前年より1077人増の2327人、死亡者数は1人増の10人となった。死傷者のうち1196人(51・4%)が新型コロナウイルスに感染したことによるもので、コロナ禍の影響が大きく見られる結果だった。
業種別の死傷者数の内訳は、新型コロナの感染が集中した医療機関や社会福祉施設などの保健衛生業が1199人(前年比960人増)で最多。製造業が315人(前年比31人増)、商業196人(同17人増)、建設業140人(同14人減)、運輸交通業120人(同17人増)、農林業87人(同13人減)と続き、これら6業種で全体の9割近くを占めた。
事故の型別の死傷者数の内訳は、新型コロナを含む「その他」が1247人(53・6%)で最多。次いで「転倒」が302人、建設業や運輸交通業で多い「墜落・転落」が198人、社会福祉施設などで見られる「動作の反動・無理な動作」が158人、「はさまれ・巻き込まれ」が103人となっており、これらで全体の8割を超えた。
死者10人の業種別内訳は、製造業と建設業が各3人、運輸交通業、農林業、畜産・水産業、その他で各1人。道路工事現場で、土砂を載せた運搬車が斜度25~30度の仮設道で横転し、運転者と共に転落した事故、配膳用エレベーターの調整作業中に体を挟まれた事故、木くず集塵装置のスクリューに体の一部を巻き込まれ、引きずり込まれた事故などがあった。年齢別では、7割の7人が50歳以上だった。
同労働局は、第14次労働災害防止計画(23~27年度)に基づき、死亡災害の撲滅、災害多発業種に対する対策など、労働災害防止に向けた取り組みを進めるとしている。