国内生産の大切さ学ぶ 大豆やごま栽培PT
大豆やごまを栽培する過程で楽しみや大変さを体験し、収穫後に味わう経験を通して食料自給の大切さを考えてもらおうと、一般財団法人雑賀技術研究所(和歌山市黒田)が2019年に始めた「食料自給率応援プロジェクト(PT)」がことしも始まった。
同研究所によると、ことしは87人の個人と、保育園や小学校、高校など43団体が参加。団体数でみると、昨年の約5倍に増えていることから、関心度の高まりや手応えを感じているという。
同市立有功東小学校(同市六十谷)もことし初めて同プロジェクトに参加。総合的な学習と食料生産について学ぶ5年生の社会の授業とを掛け合わせた学びとして実施している。
5年生43人は15日、まずは教室で自給率について学び、大豆は加工によって豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどさまざまな食品に姿を変え、日本人にとって身近な食材の原料ともいえるが、国内生産量は7%、ごまはわずか0・1%といずれも極めて低い現状を知った。
海外からの輸入に頼っていると聞いた児童らは「大豆とかごまって日本のものじゃないん?」と驚き、自分たちの手で育てたいとの思いを一層強くしているようだった。
その後、中庭へ移動し、同研究所から届いた栽培手順書に添って、2人一組でごまと大豆を合計20個のプランターに丁寧に種を植えていった。
ごまを植えた黒住楓さん(10)は「大切に育てて、大好きなホウレンソウのごまあえで食べたい」とにっこり。大豆を植えた中島寛大さん(10)は「大豆はあんまり好きじゃないけど、自分たちが立派に元気に育てた大豆はおいしく食べたい。お世話を頑張る」と意気込んだ。
風組の樋口希光子教諭は「食べ物の好き嫌いが多い子もいるので、食料を生産する大切さを学んで、携わってくれている人への感謝の気持ちを育んでいってもらいたい」と願っていた。