テロ想定し対処訓練 警察と南海電鉄合同
2001年にアメリカで同時多発テロ事件が発生した11日を前に、和歌山西署と南海電気鉄道㈱は8日、和歌山市駅で合同のテロ対処訓練を行い、万が一の事件への対処能力を高めた。
訓練には、同署員の他、県警本部の警備部や機動隊、駅員ら約30人が参加した。
訓練では、警察官扮(ふん)する男1人が、同駅7番ホームで不審な動きをすることから、駅員が110番通報。駆け付けた警察官を見た男は態度を変え、「サリンや」などと言い放ちながら、右手に持っていた液体入りのペットボトルを、停車中の車両内に投げ込み、発生したガスにより1人が倒れているという想定で行われた。
その後、警察官3人にに対し、犯人は刃物を取り出して警察官に襲いかかるも取り押さえられた。乗客役として参加した、南海本線沿線の駅長らには、車両から避難した後に防護服が配られ、機動隊は車両内の除染作業などを行った。
同署警備課の木村光太郎警備課長は、「オウムの事件などもあり、テロが起きないとは言い切れない。(南海電鉄にとって)警察との連絡や連携の体制を身に付ける機会になれば」と話した。
同駅の山本光和駅長(58)は、緊張感のある訓練だったとし、「万が一のために備えが大切になる。負傷者を出さずに、守ることを第一にしていく」と話した。
同社では、独自でテロ事件に対する教育なども行っており、今回の訓練を踏まえ、各駅長は学んだ内容を自駅で共有するという。