最後の卒業生巣立ち 海南下津高校で閉校式

海南下津高校(和歌山県海南市下津町、柳和希校長)の閉校式と第15回卒業証書授与式が1日に行われ、2007年4月の創立以降、県内唯一の公立女子高校として親しまれた同校の17年の歴史に幕を下ろした。

同校は2006年に海南市高校と下津女子高校が入学生募集を停止したことを受け、同校跡地に新設された。学科として、卒業と同時に調理師免許を取得できる食物科と、被服や福祉、食物について学ぶ家政科を設置。今回の卒業生を含め、食物科356人、家政科255人を輩出した。

ことしの卒業生は食物科15人と家政科2人の計17人。食物科40人、家政科80人の定員を設けていたが、普通科志向や少子化などにより定員に満たない状況が続いており、22年度から新規入学者の受け入れを停止していた。

卒業式では、卒業証書や調理師免許の授与に続き、卒業生の南葵さん(18)が3年間を振り返り、「(これから)大小さまざまな壁にぶつかることもあると思うが、そんなときはこの海南下津高校で過ごした仲間や先生を思い出し、力強く前に進んでいく」とお礼の言葉を述べた。

続く閉校式では、神出政巳市長のあいさつや校旗返納などが行われた。卒業生を代表して生徒会長の藤井葵さん(18)は、「私たちはここで学び、培った自分自身への誇りを胸に、強く明るい未来を切り開いていく。さようなら。そして、ありがとう。海南下津高校」とあいさつ。

柳校長は「本校が、本校に携わっていただいた全ての方々の『心の母校』として末永く記憶に刻まれることを念願する」と述べた。

同校跡地には、下津第一、第二中学校の統合に伴う新校舎の建設が予定されている。

卒業生の皆さんら

卒業生の皆さんら