地元の宝物発信 風土記の丘で西和佐小展示
和歌山市栗栖の西和佐小学校の卒業生による展示「『町の幸福論』と岩橋千塚古墳群」が14日まで、同市岩橋の県立紀伊風土記の丘で開かれている。同館を活用して、価値の高い国の「特別史跡」の同古墳群を広め、さらには人の交流を図るための催しなど、児童らのアイデアを紹介している。
展示に関わったのは先月卒業した元6年生の児童36人。国語の単元『町の幸福論』を学習し、より良いまちづくりを考えた際、「価値のある古墳群なのに、あまり人々に知られていない」、「地域の人々の交流が少ない」という問題を提起。
その解決策として、遠足や校外学習、地元の遊び場としてなじみのある同館を活用した、古墳と自然のツアー、スタンプラリー、埴輪(はにわ)クイズ、交流屋台、マーケットなどを提案した。
昨年12月、同校内で市民団体「岩橋千塚を守る会」や地域の人々などを招き、アイデアのプレゼンテーション大会を開催。さらに同館が協力し、同館で2月29日、アイデアを実践する児童主催の「西和佐小・風土記フェス」を開き、地域に呼びかけてスタンプラリーなどを行う予定だったが、学級閉鎖で惜しくも中止。先月14日、同校で代替イベントを行った。1年と6年児童、保護者、地域の人が参加し、6年生が作った古墳クイズや顔出しパネル撮影、けん玉やモルックで楽しんだ。
同館主任学芸員の萩野谷正宏さんは、「子どもならではの視点で、楽しいアイデアを考えてもらった。実行力がすごいと思ったし、クラスの結束力に驚いた」と話した。
元6年生の富永笑花さん(12)は「(校区地域は)みんなで一緒にやると楽しい場所。自分たちで考えて行動に移せて良かった」、森本開幹(はるき)さん(12)は、「地域の人と関われて良かった。あいさつできるようになった」と話した。
同館は2028年に予定するリニューアル事業に向け、同校児童にアンケートを実施しており、子ども目線の楽しいアイデアを設計に取り入れるため、今後も連携を図るという。