ニホンミツバチの採蜜へ 和歌浦天満宮に巣箱

希少なニホンミツバチを育成し採蜜しようと、和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮は境内に巣箱を設置し、4月30日、清祓式が行われた。

ニホンミツバチは農薬やダニなどの影響で生息数の減少が危惧されている。巣箱の設置は、江戸時代から伝わる自然養蜂技術で飼育、保護活動を行う、同市和歌浦南の洋菓子店パティスリーケイトシィのオーナー竹田ミレーさんが依頼した。

竹田さんは7年ほど前から海南市の山地にある寺で養蜂を始め、自家製蜂蜜を使ったオリジナル菓子を作っている。環境の良い市街地にも巣箱を設置したいと、ことしの春、小学校の後輩である小板政規宮司に相談を持ちかけた。

小板宮司はニホンミツバチの保護、養蜂の伝統文化継承の必要性に賛同。明治時代に解体されたとされている天神山の千手観音堂跡地を提供した。

清祓式には竹田さんや関係者ら約10人が出席。小板宮司が祝詞を奏上し、玉串をささげた。

竹田さんは「ニホンミツバチは気まぐれで、場所が気に入らないとすぐにいなくなってしまう。ここにうまく定住してくれるとうれしい」と話していた。

現在、養蜂の主流であるセイヨウミツバチに比べ、ニホンミツバチは活動圏が狭く、6分の1程度しか蜜を集めず、収穫できるほどの蜂蜜が集まるのには1年ほどかかる。そのため巣箱の中で熟成され、味が濃厚で高級品として扱われる。

成功すれば来年6月ごろ、同所で採れたハチミツを使って洋菓子を作り、販売する予定だという。

祈祷する小板宮司

祈祷する小板宮司