水道料金改定で3案 和歌山市検討会議
和歌山市は3日、2025~28年度の水道料金について、有識者による検討会議に三つの改定案を示した。4年間の料金全体で現行から17・8%の増額が必要としており、使用水量に応じて負担する「従量料金」の引き上げ幅を10・5%、12・5%、13・5%のいずれにするかの案となっている。
市は25~28年度に必要な水道料金を289億3000万円、現行の料金体系より43億7000万円の増額が必要と見込んでいる。
3案に共通するのは、生活用水確保に配慮する観点から、一般家庭用の口径13㍉と20㍉で、使用水量に関係なく徴収する「基本料金」の引き上げを現行の1・28倍とすること。主に事業者向けの25㍉以上は、口径が大きくなるほど基本料金の上げ幅も大きくなっている。
従量料金を10・5%引き上げる案では、25㍉以上の基本料金の上げ幅は2~3・3倍。この上げ幅を軽減するのが残り2案で、従量料金の引き上げを12・5%にすれば、25㍉以上の基本料金は1・5倍~2・2倍に、13・5%の場合は1・3~1・6倍に抑えられる。
平均的な使用水量から試算した場合、1カ月当たりの水道料金は、家庭用の13㍉で現行1606円が308~325円の増加、20㍉で現行2706円が489~529円の増加となる。
この日の検討会議では、物価高騰の影響を受けている事業者の負担が大きくなり過ぎることを懸念する意見などが出され、大口径の基本料金の上げ幅を軽減する案が支持された。
市は今後、検討会義の意見を踏まえて案を一つに絞り、12月市議会をめどに料金改定の条例改正案の提出を目指す。