もうけ話にご用心 23年度消費者相談で急増
2023年度に和歌山県消費生活センターに寄せられた消費者相談の件数は5410件(前年度比4・0%減)、うち苦情相談は4816件(同3・9%減)で、2年ぶりに減少した。化粧品や健康食品の定期購入トラブルの相談が高水準で推移し、副業や投資のもうけ話に関する相談が急増。SNSをきっかけとするトラブルも増加が続いており、同センターは注意を呼び掛けている。
苦情相談の年代別割合は、70歳以上が26・6%で最も多く、50歳代が20・4%、60歳代が20・3%と続き、60歳以上が全体の46・9%。消費者トラブルに占める高齢者の割合は依然として高く、同センターは増加傾向にあるとみている。
苦情相談の内訳は、「化粧品」の定期購入トラブルなどに関するものが344件(前年度比120件減)でトップ。次いで「健康食品」関連の相談の204件(同2件増)、賃貸住宅の退去時のトラブルなど「不動産賃借」が142件(同19件減)と多く、上位3位は前年度と同じだった。
販売購入形態別の内訳は、通信販売が全体の50・5%を占め、次いで店舗購入の28・0%とおおむね例年同様だが、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、社会経済活動が正常化しつつあることなどから、コロナ禍前に多かった訪問購入のトラブルが再び増加している。
化粧品や健康食品に関する相談の主な内容は、インターネットやSNSで低価格を強調する広告を見て、1回だけのつもりで注文した商品が、定期購入が条件となっており、想定以上の金額を請求されたというもの。前年度よりは減少したが、依然として相談は多い。広告や販売サイトに「定期縛りなし」と記載されていても、定期購入の回数に決まりがないという意味の場合が多く、注意が必要となっている。
「内職・副業」に関する相談は92件(前年度49件)、投資などの「利殖商法」の相談は65件(同32件)で約2倍に急増。主な内容は、「簡単にもうかる」「気軽に始められる」などと勧誘されて始めたところ、全くもうからず、手数料などの名目で代金を請求されたり、サポートなどと称した高額な契約を勧められたりしたというもの。「内職・副業」は20歳代が全体の42%を占め、若者は特に注意が必要。「利殖商法」は50歳代が31%で最も多いが、幅広い年代から相談が寄せられている。
SNSに関する相談は439件(前年度327件)で、年々増加傾向にある。内容は、SNSで知り合った人からの勧誘によるトラブル、SNSの広告がきっかけの契約トラブルなど。年代別では50歳代が23・4%で最も多く、60歳以上の割合が増えている一方、その他の年代からも一定数の相談がある。
「訪問購入」に関する相談も増加し、53件(前年度36件)となった。不用品を買うと言われて業者に自宅まで来てもらったところ、大切な貴金属などを強引に買い取られたなどの内容で、70歳以上が61%と突出して多くなっている。
同センターは、一人で悩まず気軽に相談するよう呼び掛けている。相談は同センター(℡073・433・1551)、全国共通の消費者ホットライン「188(局番なし)」へ。