危機感持ち、備えを 世界津波の日で知事
和歌山県広川町の〝稲むらの火〟の逸話にちなみ国連で定められた「世界津波の日」を迎えた5日、岸本周平知事は定例記者会見で、南海トラフ地震の発生が30年以内に70~80%の確率で想定されている現状を踏まえ、「県民にもわがこととして備えていただきたい」と改めて防災対策を呼びかけた。
4日には、和歌山市の和歌山港など県内と大阪府の4会場で、国土交通省や自衛隊をはじめ約120機関が参加する大規模津波防災訓練が行われた。岸本知事は有意義な訓練だったとの認識を示し、関係機関が連携し、危機感を共有する機会となったことに加え、「準備するプロセスで、関係者が顔と名前を知り、そういうことがとても良かったのではないか」と述べた。
県は、1月に発生した能登半島地震の状況を踏まえ、防災対策の見直しを進めており、来年2月に最終報告を公表する予定。岸本知事は、災害時に応援の人たちを受け入れる受援体制を強化する必要があること、民間団体やNPOなどと協定を結び、事前の備えを進めていく重要性などを挙げ、最終報告や県の長期総合計画に反映させる考えを示した。