パナマ手芸「モラ」を和風に 野尻さんが作品展
パナマの民族手芸「モラ」に、アップリケや刺しゅうをミックスした和歌山県紀の川市の野尻惠美子さん(75)の作品展が和歌山市祢宜のケーキサロン・マニエールで始まった。31日まで。
野尻さんは54歳から2年間、夫の赴任に帯同し、マレーシアで暮らした。初めての海外暮らしで昼間は何もすることがなく「思いっ切り時間のかかるものをしよう」と本で見たモラを始めた。
モラとは、パナマの先住民、クナ族の衣装に施された手芸。何枚もの布を重ねて切り込みを入れ、模様に仕上げていく。幼い頃から手芸が好きだった野尻さんは独学でバッグなどを作り、日本人会で披露すると好評で、みんなに教え一緒に作るようになった。帰国してからは絵手紙を習い始め「はがきサイズだけでは表現に限界がある。大きい紙や布で表現したらどうなるだろう」と、さまざまな手法をミックスさせ、作品を制作している。
クジャクのように羽を広げたニワトリのタペストリーは、布を重ねて太陽や木などの風景に合わせて切り込みを入れ、絵にしていった。図柄のニワトリの羽の部分に白い布を縫い付けてほつれさせ、ふわふわした様子を表現した。
着物の生地で作った人形、日傘などの手芸作品もあり、また「にじんだり、かすれたりするところが味になる」と割り箸を裂いて筆にし、墨で書いた大型の絵手紙も並ぶ。
野尻さんは「同じものを作っていると飽きるから、今回の展示ではいろんなジャンルのものを50点ほど並べました。それぞれのパターンを見てください」と呼びかけている。
午前10時~午後7時(最終日は3時)。問い合わせは同店(℡073・477・3155)。