けん玉の妙技に夢中 麻生津小で昔遊びの授業

児童一人ひとりに技を指導
児童一人ひとりに技を指導

おはじき、あやとりなど、昔から伝わる遊びを地域の人から学ぶ授業が23日、和歌山県紀の川市麻生津中の麻生津小学校(北山力也校長)で行われ、全校児童15人は夢中になって楽しんだ。

地域の人との交流を目的に生活科の授業として毎年実施。

おはじき、あやとり、こま回し、お手玉、竹とんぼの名人5人に加え、今回は県けん玉選手権2連覇の同市の城本海人さん(22)が特別参加。

最初にスケートのトリプルアクセルをイメージしたすご技パフォーマンスを披露。ぐるぐると腕を回しながらけん玉を投げ、足の下を通し、ヌンチャクのように肩の下を回し、手に持った玉の穴にけん先入れてフィニッシュ。

児童らは「すごい!」と大きな歓声を上げ、城本さんはけん玉の技とこつを教えた。

城本さんがけん玉を始めたのは県立伊都中央高校2年生の時。「文化祭のステージで何かしてくれないか」と頼まれたことがきっかけだった。そこから、けん玉の面白さに目覚め、現在は農園で働きながら全国1位を目指し、練習に励んでいる。「けん玉の楽しさを一人でも多くの子どもたちに知ってほしい」と、技ができるようになるのを見守り、一人ひとりに細かくアドバイスしていた。

6年生の辻剛生さん(11)は「いつもしているゲーム機でのプレーでは、負けたらムカついて嫌になるけど、きょうのはもっとうまくなりたいと思えたし、みんなと競いながらできるのが面白い」とにっこり。松葉加奈さん(12)は「やり方やこつを詳しく教えてもらえて楽しい」と、何度も練習を繰り返していた。

北山校長は「昔の遊びはシンプルだけど奥が深い。うまくできたらうれしくなり、自信がつき、自己肯定感が高まる良い体験になっている」と話した。