自民、立憲が候補者擁立 参院選和歌山選挙区
![自民党の二階氏㊧と石田県連会長](https://wakayamashimpo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/25021101.jpg)
今夏の参院選に向けて自民党と立憲民主党は9日、相次いで和歌山選挙区(改選数1)の候補予定者を発表した。自民県連は拡大役員会を開き、二階俊博元党幹事長の三男、二階伸康氏(47)を党本部に公認申請することを決定。立憲民主は、すでに内定していたコンサルティング会社経営の村上賀厚氏(65)が、野田佳彦代表と共に記者会見した。
自民県連の拡大役員会は、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれた。
既定の推薦人を集め、県連に参院選出馬の意思を伝えていたのは二階氏と前有田市長の望月良男氏(52)の2人。拡大役員会には国会議員や県議をはじめ県連の役員が出席し、2人の決意表明と質疑の後、無記名で投票を行った。投票総数129のうち、二階氏が82票、望月氏が46票、無効が1票で、県連の意思は二階氏に決定した。
二階氏は昨秋の衆院選和歌山2区に党公認で出馬したが、派閥裏金事件で離党した前自民参院幹事長の世耕弘成氏に、保守分裂選挙の末に敗れている。今回の拡大役員会の投票にあたり県連は、再びの保守分裂を回避するため、二階氏、望月氏の2人と投票権を持つ役員に、候補に決まった側に協力し、結束する内容の「誓約書」を求める対応をとった。
投票結果を受け二階氏は「衆議院では(与党が)過半数を割っている中、今回の参院選の重みは十分に認識している。必ず勝利できるように精進していく」と決意を述べた。
次期衆院選和歌山2区の予定候補となる党総支部長にすでに就任していた中での参院転身については、市町村長や県議らの勧めがあったこと、「保守分裂を繰り返すことが和歌山の発展につながるのか」との声を多く聞いたことなどを理由に挙げた。
県連会長の石田真敏衆院議員は「自民党は意見の違いなどで議論はするが、決まったら一致結束してやろうということで、あえて投票する方にまで誓約書をお願いした」とし、「一糸乱れずやることが参院選に勝つためには最も大事だし、県民からも、もう分裂はやめてくれという声をずいぶん聞いている。二階さんが当選できるようにしっかり応援していきたい」と述べた。
投票で敗れた望月氏は「負けたことを応援してくださった皆さんに報告して、政治とどういう関わり方をするかはもう一度考えたい」と話し、無所属での立候補は否定した。
![立憲民主党の村上氏㊧と野田代表](https://wakayamashimpo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/25021102.jpg)
立憲民主の記者会見は、和歌山市の勤労者総合センターで開かれた。
野田代表は、和歌山を含む32の1人区が参院選の勝負を決するとし、「自民は今回も分裂の様相があり、勝機だと思っている。裏金と関わりのある有力議員が今も力を持っている地域なので、野党としては候補者を必ず立て、勝たなければいけない重要な選挙区だ」と話した。
村上氏については「国際通、経済通なので、即戦力として仕事ができると確信している」とし、昨年10月の衆院選で立候補した和歌山1区の中では一定の知名度があるとする一方、全県が選挙区となる参院選では少なくとも半年は運動期間が必要だとして、早めに候補者として公認決定した経緯を説明。「半年間かけて全県で浸透するように、県連としても一丸となって頑張るが、連合や国民民主とも連携しながら勝利を目指していきたい」と述べた。
参院選全体では、与党の過半数割れを目標に掲げ、1人区で野党系の候補を一本化することが「基本中の基本」と指摘。和歌山では国民民主以外の他党についても「誠意ある対話をして、一本化していきたい」とした。
村上氏は、日本の課題として1人当たりGDPの低迷、少子化、物価高騰などを挙げ、これらを転換するには「人に投資して、人が豊かになってこそ、明るい未来が見えてくる」と指摘。経済的な面にとどまらず、選択的夫婦別姓の実現などにより、選択肢が多い社会にすることが必要とし、「財政規律をもって将来に無理な負担を負わせない政策を進める。自由で、皆が助け合い、未来への責任を持つことの三つをしっかりと進めていく」と語った。
和歌山の活性化に向けては、関西国際空港に来るインバウンドの9割程度が大阪方面に行ってしまうとし、これを和歌山で受け入れる体制や人づくりが重要だと話した。
参院和歌山選挙区にはこれまでに、参政党新人で訪問看護会社役員の林元政子氏(50)も立候補を表明している。