智弁が6年ぶり8強 猛打でエナジック破る

3番手でマウンドに立ち、試合を締めくくった宮口
3番手でマウンドに立ち、試合を締めくくった宮口

第97回選抜高校野球大会第8日の25日、阪神甲子園球場で2回戦が行われ、智弁和歌山がエナジックスポーツ(沖縄)を9―4で下し、2019年以来、6年ぶりの8強入り。近畿勢唯一のベスト8進出となった。準々決勝(26日)では、東洋大姫路に勝利した広島商(広島)と対戦する。

【2回戦】

智弁和歌山
エナジックスポーツ

〔智〕渡邉、田中、宮口―山田〔エ〕久高、福本―山城▽二塁打=荒井(智)、イーマン(エ)

初回、1死三塁の好機で打席に立った山下晃平が放った二塁ゴロの間に、藤田一波が快足を生かした先制点で流れを引き寄せた。智弁打線はその後も勢いを増し、2回には3安打に相手の失策が絡み、2点を奪取。3回には4本の安打を重ねて1点を加え、相手チームを引き離した。

4回にも攻撃の手を緩めなかった。2安打に加え、相手投手の4連続四死球や暴投も重なり一挙4得点。7回には藤田が鋭い打球を放ち、ダメ押しとなる9点目を加えた。

春夏合わせて初出場のエナジックスポーツに伝統の強力打線を見せつけ、初戦に続く二桁安打の13安打9得点を記録し、先発全選手の出塁も達成。5選手が複数安打をマークする結果となった。

投手陣も盤石の継投を見せた。初戦で100球未満の完封勝利「マダックス」を達成したエース・渡邉颯人が先発し、4回3安打2失点(自責1)で試合をつくると、2番手・田中息吹が2回無失点。最速152㌔を誇る右腕・宮口龍斗はこの日151㌔をマークし、3回2失点で試合を締めくくった。

3安打を記録した荒井優聖は、今大会で注目を集めているエナジックスポーツのノーサイン野球について「野球にはセオリーがある。それを頭に入れてプレーしたら、あまり気にせずにできた」と笑顔。初打席では「前の試合で調子が良かったので打てるかな」という油断があり三振を喫したが、「次の試合は絶対に初打席から勝利に貢献できるようなバッティングをする」と気合は十分だ。

中谷仁監督は「点を取れたことは良かったが、得点後に失点する場面がもったいなかった。もう一度、明日にしっかり備えたい」と意気込んだ。また、「福元の爆発を待っている」と、4番打者・福元聖矢の奮起に期待を寄せた。