現場の声、県政に生かす 知事がB型事業所見学

作業を見学する岸本知事(奥)
作業を見学する岸本知事(奥)

岸本周平和歌山県知事は海南市の就労継続支援B型事業所「キミト☆ミライ海南」(谷正義管理者兼サービス管理責任者)を訪問し、作業現場を見学。事業者、利用者、支援員、相談員らと意見交換した。

現場の声を直接聞き、その声を生かした県政を共につくっていくことを目的とする取り組みの一環。

同所では障害のある人が一般就労で働けるよう、技術や能力、自信がつくよう、内職や施設外での仕事をしている。

この日は、利用者11人が内職と近くの古紙回収所の清掃に分かれて働いた。 

岸本知事は内職を見学。海南市の㈱サンコーのトイレ用品の便座とふたの隙間に付けるスポンジを袋詰めする作業で、利用者は頭髪やほこりが入らないよう帽子をかぶり、スポンジの白い面を表にして丁寧に詰めていた。

利用者や相談員との意見交換では、引きこもり支援や発達障害児に関わる相談員から「引きこもりになるまでの予防が大事。特別支援教育にもっと力を入れてほしい」との要望を聞いた。

また、乳児検診での発達障害を疑う子を見つける力が弱く、早く見つかることで幼少期から発達に合わせた支援ができること、海南海草地域には児童発達支援センターが無いこと、自閉症やダウン症には協会があるが、知的障害は無いことなどの意見があった。

岸本知事は「発達障害は個性。かなり早い段階で見つけてあげて、フォローしてそれに合わせて教育してあげれば個性を伸ばせる。対応していきたい」と話した。谷代表は「予定時間を超えても、知事は『時間より大事なこと、気にせず続けて』と、処遇改善などの現場の声を聞いてくださった。貴重な時間に感謝したい」と話した。