新人7人が立候補へ 参院選、きょう公示

第27回参院選が3日に公示される。和歌山選挙区(改選数1)には過去最多の新人7人が立候補を予定。昨年秋の衆院選和歌山2区に続く保守分裂が見込まれる上、野党間の候補者調整により投票先を失う政党支持層もあり、混戦が予想される。20日の投開票日に向けて、夏の戦いが始まる。
立候補を予定しているのは表明順に、参政党新人で訪問看護会社役員の林元政子氏(51)、無所属新人で不動産会社経営の末吉亜矢氏(54)、自民党新人で元衆院議員秘書の二階伸康氏(47)、無所属新人で前有田市長の望月良男氏(53)、日本維新の会新人で県議の浦平美博氏(53)、NHK党新人で元総務省職員の本間奈々氏(56)、共産党新人で党県副委員長の前久氏(69)の7人。
今回の和歌山選挙区の議席は元々、自民参院幹事長を務めた世耕弘成氏が5期連続で保持していたが、派閥の裏金問題で離党した世耕氏が昨秋の衆院選で和歌山2区にくら替え出馬し、党公認を受けた二階氏を破って当選したため、空席となっている。
自民の候補者選定は、県連役員の投票によって二階氏が世耕氏に近い望月氏に勝利し、公認を得たが、敗れた望月氏も離党の上、無所属での出馬を決断した。
末吉氏も保守系と目され、本間氏も保守の立場を明確に打ち出す中、保守層の票の分散は避けられそうにない。
連立与党の公明党は二階、望月両氏から推薦依頼を受けたが、昨秋の衆院選和歌山2区と同様、保守分裂を理由にどちらも推薦せず、自主投票としている。
野党側は、第一党の立憲民主党が村上賀厚氏(65)の擁立を内定し、2月に野田佳彦代表と共に記者会見までしていたが、維新との候補者一本化により、6月に入って取り下げる事態となった。
一本化とはいっても、立憲民主県連の山本忠相代表は「リベラルな考えの人の投票先はなくなるに等しい。怒りにも似た悲しみを感じる」と強い不満を示し、「維新の候補を応援する可能性は0%」と言い切った。
山本氏の発言を受け、維新の浦平氏は「支援の期待はゼロ」と述べつつ、立憲支持層からも支持を得られる努力はしたいとしている。
村上氏の支援を選択肢の一つとしていた共産は、公認取り下げを受けて独自に前氏の擁立を決定した。社民党県連が支援を決めており、リベラル層への支持拡大を目指す。
独自候補を失った立憲支持層の投票行動は、今回の選挙戦の行方を見えにくくする要素の一つとなりそうだ。
最も早く和歌山選挙区に名乗りを上げた参政の林元氏は、6月の東京都議選で3議席を獲得した党の勢いも背景に、支持拡大を図る。
和歌山選挙区の立候補届け出は、県庁北別館2階で3日午前8時半から午後5時まで受け付ける。7人は和歌山市内の駅前などで第一声を上げる予定。