返礼品を抜き打ち調査 品質向上へ3市合同

返礼品の抜き打ち調査をするGメン
返礼品の抜き打ち調査をするGメン

ふるさと納税の返礼品の質を高めようと、和歌山県の紀の川市が行っている返礼品の抜き打ち調査(返礼品Gメン)。ことしは大阪府羽曳野市、岡山県浅口市が参加し、15日に紀の川市役所で桃やブドウ、乾麺など各市の主要返礼品を自治体同士が互いにチェックし合った。

返礼品を巡っては、各地で品質トラブルや苦情が増加している。同市では返礼品の9割が果物類。特に桃は全返礼品の80%を超えているが、桃は傷みやすく、苦情が寄せられることがあるという。リピーターの獲得や新規寄付者の増加を目指し、市とJA紀の里、同市のふるさと納税運営などに携わる㈱ローカルの3者が連携。梱包、同梱された案内の内容、品質などを厳正に評価する市独自の取り組みを2023年にスタートさせた。これまでは同市単独で行ってきたが、㈱ローカルを通じた連携で、今回初めて3自治体が合同で実施することになった。

今回の調査に用いた返礼品は、市外に住む市やJAの職員らが納税者を装って入手したもの。

調査員は梱包状況、同梱物、サイトに記載している写真などとの相違、味の4項目、計14の観点について評価。優良(5点)、良(3点)、標準(0点)、おおむね可(マイナス2点)、不可(マイナス5点)の5段階で採点。

開封した時に、一部の桃が箱に当たって変色していたものについては、梱包方法の意見を出し合うなど、傷み具合や味、保存方法、連絡先などの案内表記も確認し、計量も行った。

羽曳野市都市魅力戦略課の秋月健太郎主任は「これまでは届いたものを見る機会はなく、発見も多かった。今後、業者へのフィードバック方法など紀の川市の手法を見習っていきたい」と話した。浅口市地域創造課の片桐聖也主任は「他の市と比較できて有意義だった。今後につなげたい」とし、「紀の川市の桃を初めて食べたが、とろけるようにものすごくおいしい」と笑顔だった。

今後は評価結果、改善点をまとめ、3市合同で会議を開く予定。

紀の川市地域創生課の宮本麻里班長は「この取り組みで、悪いものを排除するのではなく、事業者に良い点や改善すべき点を伝え、全体の底上げにつなげ、紀の川市産のブランドを高めたい」と話した。