安全対策の調整難航 亀岡事故受け初会議
京都府亀岡市で通学途中の児童らの列に車が突っ込んだ事故を受けて、和歌山市教委は28日、同市吹上の和歌山西署で「通学路緊急交通安全対策会議」を開き、行政、警察関係者約30人が出席した。市教委側は市内20カ所の交通安全対策を警察側に要望したが、警察側は「市教委からの要望ではなく、地元の学校から直接署に要望を届け出てほしい」と押し返す一幕があるなど、調整は難航し閉会した。本年度中に第2回を開く。
交通事故を受け、 市教委、 県、 市、 警察が緊急に集まったのは初めて。 市教委は、 通学路に関する住民からの改善要望があった場合、 「いったん市教委で意見をまとめ調査。 その後に道路を所管する警察や県、 市に要望を振り分ける」 と今後の流れを提案し、20カ所の対策を要望した。
警察側は 「要望の中には、 すでに規制を掛けている場所もある。 もっと調べてから要望してほしい」 「市教委からの要望ではなく、 学校の先生が現場で警察と一緒に調査しないと分からない」 「新たに一方通行を設けるのは地元への負担も大きい。 地元の合意なしに簡単に規制はできない」 と反発した。
また、 道路に段差を付けスピードを落とさせる 「ハンプ」 を付けてはとの市教委側から提案に、 市側も 「車いすの人が不便になる」 「夜に騒音で寝られないなど苦情がくる」 などと難色を示し、 各機関の調整の難しさが露呈した。
また、 会議終盤に市教委が 「各学校の要望に沿うように願いたい」 と発言すると、 警察側からは 「警察は毎朝、 署員を通学路に立たせ子どもたちを見守っている」 とし 「ボランティアの見守り隊の人たちから 『学校の先生は何をしているんだ』 との声も聞く。 先生の取り組みを教えてほしい」 などと不満を漏らす場面もあった。