イタリア人招き「和歌山なめんなよツアー」

 食を通して海外に和歌山の魅力を発信しようと、県内の食に関するプロたちが4日、日本酒愛好家のイタリア人5人を海南市や和歌山市に招き、地元食材を使った料理や地酒でもてなした。海南市の酒造会社「中野BC㈱」の中野幸治副社長(37)らが北イタリアを訪問したのがきっかけ。中野副社長は「海外で日本酒の消費が伸びているので輸出にも力を入れており、全世界の人たちにおいしい日本酒を知ってもらいたい」と話している。

 昨年、 チーズプロフェッショナル協会の宮本喜臣さん (39) が、 同社の最高級梅酒 「紅南高」 に漬け込んで味付けした 「リファイニングチーズ」 を考案。 チーズの本場イタリアでプロに試食してもらおうと、 10月末に中野副社長と一緒に北イタリアを訪問した。 そこで出会った、 ミラノを拠点に日本酒を広める活動をしている会「酒道」 の代表、 マルコ・マッサロッティさんの来日に合わせて、 イタリアでお世話になった感謝を込めてイベントを企画した。

 イベントは 「和歌山なめんなよツアー」 と題し、 約30人が参加。 同社の酒蔵を見学した後、 和歌山市のイタリア料理店 「ルーナ・ピエーナ」 に移動して懇親会を開いた。

 参加者は日本酒で乾杯後、 法被姿で餅つきを体験。 ついた餅は、 山椒と岩塩を入れたオリーブオイルを付けたり、 青味ダイコンや姫ニンジンが入った白みその雑煮で味わった。

 また宮本さんは、チーズを専用の器具で削って花びらのように演出、 フルーツアートクリエイターの井上宣子さん(42)は 「和」 をテーマに、 おせち料理をイメージして地元のデコポンや冬柿をカッティングし、 参加者を楽しませた。

 参加者は酒を片手に料理に舌鼓。 マルコさんは 「日本酒はどんな料理にも合う。 イタリアで日本の生酒を飲むのは不可能なのでうれしい。 和歌山のローカルフードを食べてみたかった。 おいしいし楽しい」 と笑顔。 宮本さんは 「ことしは梅酒に漬けたチーズをイタリアのチーズ工房で作ってもらえる。 チーズを通して和歌山の特産品をイタリアだけでなく、 他の国にも広め、 たくさんの人に堪能してもらいたい」 と話していた。