和歌山南IC 県が整備へ

 和歌山市森小手穂付近に建設構想が浮上していた阪和自動車道(仮称)和歌山南インターチェンジ(IC)について、県は29日、県が主体で整備すると発表した。都市計画道路や既存の県道との接続により周辺に新たな幹線道路ネットワークを併せて形成する計画。仁坂吉伸知事は同日の定例記者会見で「和歌山IC近辺の渋滞が緩和され、紀の川市貴志川町方面の利用が便利になる。完成までは4、5年かかるだろう」と述べた。

 計画されているのはETC搭載車限定の「スマートIC」。料金所の設置が簡易で低コストで整備できる。通常のICがおおむね35億円以上かかるのに対し、20~30億円程度で済むという。国の事業を活用するため、県が負担するのは周辺から料金所への接続部分となる。

 南ICと周辺道路との接続に当たっては都市計画道路・南港山東線の見直しを検討している。西側からは、平成27年の国体までの完成を目指す都市計画道路・松島本渡線の交差点(同市和田)を起点に、南港山東線を1・5~1・7㌔東に延ばし、南ICに接続。南ICの東側は、紀の川市貴志川町に続く県道和歌山橋本線に接続する。

 南ICの整備により、現在一日約2万6000台が利用する和歌山IC周辺の交通渋滞が緩和され、紀の川市方面を行き来する利用者の利便性が大きく向上するとみられる。

 今後は国や西日本高速道路㈱、警察、関係自治体などで構成する地区協議会を設立し、ICの構造や整備方法、費用負担、採算性などを具体的に検討する。本年度中に協議会の合意を得て実施計画書を作成し、来年度に国に連結許可申請を行うとしている。