まぶた下がっていませんか? 「眼瞼下垂症」
まぶたが下がって十分に目が開けられなくなり、 視野が妨げられる 「眼瞼下垂症 (がんけんかすいしょう)」。 一般に高齢者に多い症状で、 「年のせいだから仕方がない」 と放置している人も多いが、 実は日帰りで治療を受けられ、 日常の見えにくさを改善できる。 昨年4月に 「眼形成外科」 の診療を始めた和歌山市元寺町の元寺町クリニックで話を聞いた。
眼瞼下垂症になると目が疲れやすくなり、 肩凝りなどを引き起こす場合も。 神経や筋肉の病気が原因の場合もあるが、 ほとんどの場合、 まぶたを持ち上げる 「腱膜 (けんまく)」 が年齢とともに緩むことによって起こる。 最近は高齢者だけでなく、 長期間にわたってハードコンタクトレンズを使用する40代にも見られるという。 これは、 レンズを外す時にまぶたを強く引っ張る習慣などが原因と考えられている。
治療方法は、 緩んだ腱膜をたぐり寄せ、 ピンと張った状態にして固定し、 まぶたを持ち上げる方法 (眼瞼挙筋前転法) と、 たるんでかぶさってくる皮膚を切除する方法 (余剰皮膚切除法) の2つ。 局所麻酔で体にほとんど負担をかけることなく受けられる。
同クリニックでは火曜と土曜を中心に、 京都大学医学部付属病院形成外科医師、 日本形成外科学会専門医・日本創傷外科学会専門医の幸島究 (こうじま・きわむ) 医師 (44) が診療。 眼科と形成外科の技量を合わせ持つ眼形成外科を専門とする医師は全国的に少なく、 他院からの紹介などで少しづつ患者数が増えてきているという。
幸島医師は 「治療は周囲からの見た目を良くするものではなく、 ものを見る質、 生活の質を向上することが目的。 その人に合った治療法を考え、 説明するように心掛けています。 気軽に受診してもらえれば」 と話している。 保険診療で、 1割負担の患者が両目のまぶたを手術した場合の費用は、 同クリニックで1万円台。
詳しくは同クリニック (0120・37・5608、 ℡073・428・8686)。