救援物資の輸送スムーズに 和歌山県が初訓練
大規模災害発生時に救援物資の輸送をスムーズに行うため、 県は6日、 情報伝達や広域防災拠点での受け入れ、 搬出などで職員の対応能力を向上させ、 関係機関との連携強化を図る初の訓練を、 和歌山市の和歌山ビッグホエールと県庁南別館で行った。
今回の訓練は、 東日本大震災の被災地で、 救援物資の受け入れや搬出の作業に混乱が見られたことを教訓に企画した。 訓練の想定は、 3日午前9時に紀伊半島沖で発生したマグニチュード8・7の地震と津波による大規模災害を受け、 4日から救援物資の輸送などの調整を開始し、 発災3日目を迎えたというもの。
災害時に救援物資の提供や輸送、 仕分けなどで協力する協定を県と結んでいる、 県トラック協会、 県倉庫協会、 ㈱オークワ、 ㈱コメリが訓練に参加し、 県職員と合わせて約60人で実施された。
広域防災拠点のビッグホエールでは、 飲料水や食品などの救援物資の段ボール箱が協力企業から搬入され、 県職員は数量などをチェックし、 倉庫協会の助言を受けてアリーナ内で仕分け。 同協会はフォークリフトでの物資の移動なども行った。 トラック協会は物資のトラックへの積み込み、 搬出などを担当した。
災害対策本部の県庁南別館では、 救援物資管理システムと無線で情報を受けながら、 物資の受け入れ・搬出計画と実際とのずれの確認、 修正の指示、 協力企業・団体との調整などに当たった。
また、 予定になかった物資搬入などの指示も出され、 職員は臨機応変の対応を求められながらの訓練となった。
県倉庫協会の楠本敏雄事務局長は 「実際の災害は、 どんな物資がどれだけのスペースに運び込まれるかなどが分からないので、 大変な対応になる。 私たちの物資の仕分けや入出庫の技術を生かして訓練に取り組めたと思う」 と話していた。