伏虎中学校区小中一貫校の基本構想発表

 平成29年4月の開校を目指している、和歌山市の伏虎中学校区にある本町、城北、雄湊の3小学校と伏虎中学校が統合する小中一貫校(9年制)について、市教委は25日、保護者らを対象に説明会を開き、教育方針やカリキュラムを示した基本構想を発表した。構想には9年間のカリキュラムを4・3・2年制の編成にすることや防災拠点として体育館を3階部分に設けることなどが盛り込まれた。

 一貫校のコンセプトは「学びあい ひろがり 響きあう 学校を目指して~未来の担い手をはぐくむ教育の創造~」。9年間で一貫した教育課程▽小中学生の異学年交流▽教師の専門性を生かした指導▽学校、保護者、地域と連携した教育活動――などを柱とした教育を進める。

 カリキュラムについては従来の小学校6年、中学校3年の6・3年制ではなく、9年間の子どもの発達に合わせて、1~4年生を前期、5~7年生を中期、8~9年生を後期の3期に分けた4・3・2年制を教育課程として編成し、それぞれの段階に対応した教育を行う。

 また災害時に防災拠点としての役割を果たす校舎は高層・耐震化する。海抜約22㍍に当たる5階建ての校舎の3階部分(海抜約12㍍)に体育館が設けられる。

 一貫校は城北小と城北公園の敷地内に設置。公園はことし9月には都市公園としての機能が廃止され、使用できなくなる。以前から問題視されていた同公園地下駐車場については営業は継続するが、利用者の出入り口を一部閉鎖するとしている。

 また、城北小敷地内で続けられていた鷺ノ森遺跡の発掘調査で、江戸時代のものとされる器などが出土。地域学習の教材として活用するとしている。

 今後市教委は本年度中に、今回の説明会での保護者らの意見を参考に実施設計を行い、平成26年に仮設・解体工事、同27年から2年間を本体工事期間として設定している。統合後の伏虎中、雄湊と本町小の校舎については教育に関連した公共施設として活用する見通し。
 市教委は「課題はまだ多く残っている。地域住民からの貴重な声をいただき、今後の計画に生かしていきたい」と話している。