あす開幕、高校野球和歌山大会 各ゾーン見どころ
第95回全国高校野球選手権記念和歌山大会がきょう12日、和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で開幕。参加39チームによる熱戦が繰り広げられる。練習に明け暮れた球児たちの14日間にわたる激闘の末、どのチームが頂点に輝くのか。大会の見どころを紹介する。
春季大会の4強がシードに座った。王者箕島、準優勝の近大新宮、大会8連覇中の智弁、勝負強さの光る南部が各ゾーンの筆頭として戦いを演じる。
Aゾーンは戦後初の地方大会8連覇を達成した智弁と昨秋県大会の雪辱に燃える市和歌山の対決から目が離せない。3年間エースとして経験を積んだ左腕の石山を擁する和東も有力校。平成22年の創部以来、着実に力を付けてきた。海南や初芝橋本などの甲子園出場経験のあるチームも智弁の9連覇の前に立ちはだかる。
Bゾーンは春の県大会4強の南部が実力で勝る。だが、走攻守がまとまって粘り強い和歌山工、投打ともに安定した伊都、投手力の高い田辺なども控え、実力は拮抗。混戦模様となる。
Cゾーンはシードの近大新宮が最有力。初戦で対決する星林は足を使った攻撃を仕掛ける。昨秋の県大会で3位になり、近畿大会にも出場した高野山は三好と小川、西尾の3本柱が軸。対する日高中津はバランスが取れ、注目カードの一つとなる。桐蔭は和田、貴志の2投手を中心に守り抜く野球を展開する。
Dゾーンはシードの箕島、強打の和商に注目。箕島は粘り強さに定評がある。機動力に主軸の長打力を絡めた和商は攻撃力が最大の魅力。昨夏の和歌山大会準優勝の那賀はリベンジに闘志をたぎらせ、和歌山西・北の連合チームの活躍にも期待したい。
大会屈指の好カードが実現した。9連覇を狙う智弁とリベンジに燃える市和歌山が大会3日目の第4試合で対戦する。両校は平成23年夏の和歌山大会と昨年の秋季大会の決勝で顔を合わせた。また今春の公式戦でも対戦し、いずれも智弁が勝利を収めている。エース左腕・吉川や右腕・原をはじめとする投手陣や昨夏の甲子園経験者がそろう智弁に対し、市和歌山はスイッチヒッターの川本を中心に機動力野球で立ち向かう。
智弁の天野康大主将は「9連覇というプレッシャーはあるが、それに負けていたら甲子園に行けない。積極的に自分たちの野球をしたい」とし、市和歌山の村原大介主将は「部員54人が一体となり、強い気持ちで挑みたい」と気合を込めた。