比例区の陣営「候補者名を書いて」
21日投開票の参院選は大詰めを迎え、和歌山選挙区では三つどもえの選挙戦が熱を帯びる一方、比例区候補者は全国という大きな舞台で、見えない敵と戦っているかのような印象だ。個人の戦い、党の戦い、それぞれの情勢を追った。
参院選の比例代表は、党の名簿順に当選が決まる衆院選の「拘束名簿式」(政党名で投票)と異なり、個人名による得票が多い候補者から当選する「非拘束名簿式」(政党名または個人名で投票)。議席数は政党名と個人名の総得票数により配分される。
「参院比例区は政党名ではなく、候補者の名前を書いてもらわないと意味がない」とある陣営は訴える。「派閥などを頼って県外にも支持を呼び掛けるが、実際に候補の名前を書いてもらえるかは分からない」と不安は拭えない。「比例は党の戦いと見られがちだが、厳しさは選挙区と同じ。投票用紙に名前を書いてもらえるように訴え続けるしかない」と残り期間の戦いに全力を誓っている。
県内主要政党の比例の動きを見ると、自民党は、昨年12月の衆院選で獲得した約14万票から、18万票への上積みを目指す。県出身の比例候補に力を注ぎ、県連幹部は個人名で6~7万票とれば当選は堅いと見ている。
公明党は8万5千票を目標に、関西を地盤とする候補の応援には閣僚も和歌山入りした。同候補は過去2回の改選時、個人名で県内最高得票となり、今回も支持拡大を訴える。
共産党は8万票が目標。選挙区候補の街宣や個人演説会に比例候補が同行するなど、活動を連動させており、比例5議席獲得を目指す。
民主党と日本維新の会は、衆院選でそれぞれ約5万4千、約14万票を獲得したが、選挙区の候補擁立を断念した今回は情勢が厳しい。
社民党、幸福実現党は1万票の獲得を目指している。