「ねがい桜」を満開に 震災復興へプロジェクト
東日本大震災犠牲者の鎮魂を祈る「二度と散らない『ねがい桜』プロジェクト」が26日、関西では初めて和歌山市で始まった。被災者が作った「ねがい桜」を市民に購入してもらい、犠牲者総数(行方不明者含む)とされる1万8550個のねがい桜を同市の普門寺本堂に飾り付ける計画。収益は作り手に届ける。
ことし6月、岩手県の陸前高田市商工会女性部と、NPO法人「きものを着る習慣をつくる協議会」が中心となってプロジェクトを設立。全国30都道府県にある同協議会の支部でねがい桜の販売が進められている。
ねがい桜は、古い着物の生地で桜の花をかたどったもの。和歌山市では七番丁のモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)2階「きものぎゃらりぃ和(やはらぎ)」で販売する。「ねがい桜2個」と「ねがい桜1個と腰ひも3本」の2種類で、ともに1000円。購入するともらえる用紙に鎮魂文などを書き、桜1個を添えて同店に預けると、定期的に同寺に送られる。
この日、スタートイベントが同店で開かれ、同協議会の中塚一雄代表(59)がプロジェクト設立の経緯などを説明した。和歌山を拠点に活躍する書家の北原美麗さんが被災地復興を祈願して席上揮毫(きごう)を奉納。京都の歌手HARUNOさんが三味線を演奏する中、大きな紙に筆が運ばれた。
中塚代表は「桜1つが、犠牲者1人の御霊(みたま)になります。皆さまからのご支援、お願いします」。同地区実行委員の増田和則さん(60)は「痛ましい震災から2年半。微力ながら支援をしたい」と話していた。
ねがい桜の生地となる、不要になった絞り羽織、色無地、長襦袢(じゅばん)の寄付を随時募っている。問い合わせは同店(℡073・433・3567)。