和歌浦「ほうらい荘」跡地 利用計画募集

 和歌山市は、ことし3月末で閉鎖した新和歌浦の「市民憩の家〝ほうらい荘〟」について、解体後の跡地利用の計画を民間事業者から募集する。旧施設で高齢者などの利用が多かった浴場機能の維持などを条件とし、来年3月に事業者を決定する予定。

 ほうらい荘は昭和50年に開業し、浴場や食堂、カラオケなどの設備を備え、高齢者を中心に利用されていたが、老朽化と耐震性の問題から3月末で閉鎖し、本年度中の解体が決定。大橋建一市長は3月の市議会で、跡地に民間による代替施設を整備する方針を示していた。

 市高齢者・地域福祉課によると、跡地の面積は1121平方㍍。市は20~30年の期間で貸し出し、賃料は1平方㍍当たり550円以上と設定している。

 募集する計画は、浴場機能と、会議やエクササイズ(体操、卓球など)、カラオケなどに利用できる貸館機能を盛り込むことが条件。浴場の規模は、ほうらい荘の小浴場(34平方㍍)、脱衣室(21平方㍍)以上とし、一般公衆浴場の他、スーパー銭湯などの形態も想定している。必須機能以外のスペースの活用は、事業者が自由に提案できる。

 すでに募集要項の配布を始めており、15~21日に業者からの質問を受け付けたところ、2社から問い合わせがあった。11月15日まで参加資格確認の申請、12月24~27日に応募を受け付け、来年2月に審査し、3月に審査結果を通知する。

 ほうらい荘をめぐっては、閉鎖決定の際に存続を求める利用者や地元住民ら400人以上の署名や嘆願書が提出された。同課は「従来の機能を確保した上で、民間からの自由な提案を期待している」と話している。