尾木ママ、和大でいじめ問題語る

 教育評論家として活躍する「尾木ママ」こと尾木直樹さん(66)が16日、和歌山市栄谷の和歌山大学で開かれた関西教育学会のシンポジウムに出席し、いじめをテーマに教育の専門家らと議論した。

 尾木さんは現在、法政大学教職課程センター長を務めている。尾木さんは世界的に見ても日本のいじめ対策が遅れていることを指摘。「いじめ問題が表面化してから30年間ほったらかしの状態だった」とし、「フィンランドなど教育先進国では、教諭にいじめ対応の研修を積極的に行っている」と、日本でも研修強化の必要性を訴えた。

 また、いじめ問題解決には「予防教育」「早期発見」「対策」「ケア」の4項目が対応があるが、最も大切になるのは予防教育で「『いじめ』という言葉よりも、はっきりと『人権侵害』だと教えるべきだ」と熱く語った。この日はコーディネーターとして同大の松浦善満教授も参加した。

 会場には学会関係者など約300人が集まった。参加した大阪府能勢町の町教委学校教育課、田口順一さん(33)は「いじめの構造が複雑化していることを感じました」と話した。