健康食品トラブル急増 上半期消費者相談

 県消費生活センターは平成25年度上半期(4~9月)の消費者相談の状況をまとめた。相談件数は3093件(前年度比485件増)に増加し、年々増えている60歳以上の高齢者層からの相談の割合は4割超の41・1%に達した。健康食品の強引な送りつけなどの相談が増加の要因となっている。

 相談件数の内訳は、悪質サイトからの不当請求やワンクリック詐欺などの「ウェブサイト関連」が462件(前年度比29件減)でトップ。2位が急増した「健康食品」の311件(同249件増)、光回線の強引な勧誘などの「固定通信回線」が102件(同30件増)で続いている。

 健康食品に関する相談は、強引に送りつけて代金を請求するケースが311件のうち269件(86・5%)を占め、苦情の大半は高齢者に集中している。70代の女性のケースでは、申し込んだ覚えのない商品を送るとの連絡があり、断ったにもかかわらず強引に送りつけられ、受け取り拒否すると「払わないなら裁判をする」などと怒鳴られたという。

 健康食品に加え、「ファンド型投資商品」「未公開株・社債」に関する相談も高齢者からが8割以上を占めている。こうした利殖投資勧誘は、契約額が高額になる傾向があり、本年度上半期の契約総額は4億6763万円、払ってしまった額で3億378万円に上っている。

 複数の業者が登場して投資意欲をあおる「劇場型勧誘」と呼ばれる手口が多く、過去に投資被害に遭った人に「お金を取り戻せる」などと被害回復をうたったり、代理購入を持ちかけたり、公的機関を装ったり、巧妙化したさまざまなパターンがある。

 また、固定通信回線の契約では、電話代などが「安くなる」と説明されたのに安くならなかった、電話口でされた説明が理解できなかった、などの苦情が多かった。通信回線には特定商取引法が適用されず、契約書面の交付義務がなく、クーリングオフもできないため、同センターは注意を呼び掛けている。