DC控え、広がる「人の和」 県民・周辺自治体との連携も

 新しい年を迎えた和歌山。観光振興に特化していえば、ことしは世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録10周年を契機に、JR6社と県内の観光関係者や自治体が一体となって行う日本最大規模の観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」が開催される。期間は9月14日から12月13日。

 開催を控え、県外で和歌山をPRする機会が増えてきた。年末にかけては、大阪モーターショーの「ドライブで観光コーナー」に県観光連盟をはじめ、田辺市と奈良県十津川村が共同で出展し、県内のドライブスポットの紹介や熊野古道、十津川温泉郷、龍神温泉、熊野本宮温泉郷などの情報を発信。

 また、南海なんば駅2階コンコースでは「南紀・熊野観光物産展」が開催され、三重県熊野市で見つかった新種の柑橘類「新姫(にいひめ)」を使った加工品の販売や、瀞峡巡りなどを紹介。周辺自治体がタイアップしたPRも積極的に行われている。

 以前、本コーナーでも紹介した「わかやまおもてなし宣言」は来県者に対し県民が自分にできる「おもてなし」を宣言し実践する試みでは、2000人を超える登録がされ、実際の「おもてなし活動」を実践している市民グループもある。

 今秋の「デスティネーションキャンペーン」のコンセプトは「和み、和らぐ、和歌山からはじまる旅」。県内の自治体や観光協会をはじめ、県民、周辺自治体までもが互いに協力し合う「人の和」も広がり、観光立県・和歌山が目指す姿に近づいている。
   (次田尚弘/和歌山)